ケシの種(ポピーシード)(Poppy seed)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Papaver somniferum
科名
ケシ科 (Papaveraceae)
その他の一般的な名称
概要
ケシの種は、ケシ植物 (Papaver somniferum) から得られる油糧種子です。この植物は、アフガニスタン、チェコ共和国、トルコ、スペイン、フランス、ドイツ、クロアチアで栽培されています。ケシの種は、世界中で料理や焼き菓子に使用されています。ケシの植物の種子莢にはアヘンが含まれており、その中にモルヒネやコデインなどのオピオイドが含まれています。ケシの種自体にはオピオイドは自然には含まれていませんが、収穫中や昆虫の損傷により、種がオピオイドで汚染される可能性があります。
安全性
安全性が高い可能性がある:
食べ物に一般的に含まれる香辛料や風味付けの量として使用される場合、ケシの種は安全と見なされます。米国では、香辛料や風味付けとして使用することについて「一般に安全と認められる」(GRAS)として承認されています。食品製品に約50グラムまでのケシの種を含む場合、安全に消費できるとされています。
短期的な薬用量での使用:
ケシの種を35~250グラム含む飲料やヨーグルトが臨床研究で安全に使用された事例があります。ただし、長期間の薬用量での使用に関しては信頼できる十分な情報がありません。
安全性が低い可能性がある:
非常に大量の摂取時。一例として、900グラム以上のケシの種の摂取後に腸閉塞で死亡したケースがあります。また、ケシの種を使った抽出物(ティー)を飲用した場合、モルヒネ中毒による死亡例が報告されています。収穫時にケシの種の表面がアヘンアルカロイド(モルヒネ、コデイン、オリパビン、テバインなど)で汚染されることがあり、ティーの調製中にこれらが抽出される可能性があります。
妊娠中および授乳中:
食べ物の香辛料や風味付けとして使用される場合は安全と考えられますが、薬用量での安全性については十分な情報がないため、使用を避けるべきです。
副作用
一般的な副作用:
食品量として摂取する場合、通常は良好に耐えられます。短期間の薬用量でも耐えられる傾向があります。ただし、大量の摂取やケシの種ティーの摂取は安全でない場合があります。
主な副作用:
- 口から摂取: アレルギー反応(呼吸困難、粘膜の腫れ、蕁麻疹など)が一部の敏感な人で報告されています。
重篤な副作用(稀):
- 腸閉塞
- 急性呼吸窮迫症候群
- 誤嚥性肺炎
- 心毒性
- 高用量での死亡
効果的な用途
膀胱腸瘻の診断:
口から摂取するケシの種は、膀胱腸瘻の診断に有効であるとされています。
その他の用途:
その他の用途については信頼できる十分な情報がありません。
投与と使用方法
成人:
研究が限られており、典型的な用量情報はありません。
薬剤との相互作用
既知の相互作用はありません。
過剰摂取
症状:
- 呼吸の遅延
- 肺水腫
- 急性呼吸窮迫症候群
- 誤嚥性肺炎
治療:
支持的および対症療法が必要であり、オピオイド拮抗薬ナロキソンが使用されます。
薬物動態
吸収:
ケシの種25グラムを摂取後、2時間でモルヒネの血清濃度が最大(100 ng/mL)に達し、24時間まで検出可能です。
排泄:
モルヒネとコデインは尿中に排泄され、尿中の最高濃度は摂取後3~8時間で観察されます。
この情報は、安全性や使用についての基礎を提供するものです。個別の状況に応じた専門的な助言が必要です。
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