ウチワサボテン (Prickly Pear Cactus)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Opuntia ficus-indica(シノニム: Cactus decumanus, Cactus ficus-indica

科名
サボテン科 (Cactaceae)


概要

ウチワサボテンはメキシコ原産で、南米、アフリカ、オーストラリア、東南アジア、地中海地域など広範囲に分布しています。その果実や茎(パッド)は食用として利用されます。未熟なパッドは柔らかく、食用に適していますが、成熟したパッドは繊維質が多く硬いため、食用には適していません。特にメキシコやメキシコ系アメリカ人文化では、日常の食事や糖尿病治療の一環として使用されています。


使用用途

経口摂取:

  • 糖尿病、消化不良、代謝症候群、肥満、高コレステロール血症などの治療に使用されることがあります。
  • 二日酔いや加齢性認知機能低下の予防としても検討されていますが、これらの用途に関する明確な証拠は不足しています。

安全性

  • 安全: 果実やパッドを食用として使用する場合は安全です。
  • 可能性として安全: 短期間、適切に補助食品として使用する場合は安全とされています(例: 250 gの果実パルプを1日2回、最大2週間)。
  • 妊娠および授乳中: 安全性に関する信頼できる情報が不足しているため、使用を避けるべきです。

副作用

一般的な副作用:

  • 腹部膨満感、消化不良、軽い下痢、吐き気などが報告されています。

有効性

  • 可能性として有効:

    • 糖尿病: 食後血糖値の低下に寄与する可能性があります。
  • 信頼できる情報が不足:

    • 加齢性認知機能低下、前立腺肥大症(BPH)、消化不良、二日酔い、高コレステロール血症、肥満など。

投与量と使用方法

成人:

  • 研究は限られており、標準的な投与量の情報は不足しています。
  • 一部の研究では、果実パルプ(1日250 g、2回摂取)やパッド(1日3~15 g)を使用しています。

相互作用

  • 糖尿病薬との相互作用: 血糖値を低下させる可能性があり、低血糖のリスクが増加する可能性があります。
  • 低血糖作用を持つハーブやサプリメント: 血糖値をさらに低下させる可能性があります。

作用機序

  • 栄養成分:

    • 果実とパッドは、食物繊維、フェノール化合物(イソラムネチン、ケンペロール、クエルセチンなど)、ビタミンC、ベタニン、インディカキサンチンなどを含みます。
    • 500 gの果実摂取で、14.3 gの炭水化物、8.25 gのタンパク質、18.85 gのセルロースを提供します。
  • 抗アレルギー作用:

    • ウチワサボテン由来のグリコプロテインが、ヒスタミンや炎症性タンパク質の分泌を抑制します。
  • 抗糖尿病作用:

    • 食物繊維(特にペクチン)が腸内での糖分吸収を遅らせるほか、インスリン感受性を向上させる可能性があります。
  • 抗酸化作用:

    • ビタミンCや植物色素(ベタニン、インディカキサンチン)が酸化ストレスを軽減します。
  • 抗炎症作用:

    • 二日酔いの症状を軽減する可能性があり、炎症マーカーのCRPやコルチゾールのレベルを低下させることが示唆されています。
  • 抗ウイルス作用:

    • インフルエンザやヘルペスウイルス、HIVなどのウイルス複製を抑制する可能性が動物研究で示されています。

結論

ウチワサボテンは食用として安全で、糖尿病の血糖コントロールに役立つ可能性がありますが、他の医療用途についての証拠は不足しています。特に補助食品として使用する場合は、医療専門家と相談のうえ適切に利用してください。


この投稿をシェアする



← 投稿順