プレグネノロン (Pregnenolone)

投稿者 :リンクプロ on

学名
プレグネノロン (Pregnenolone); (3 beta)-3-hydroxypregn-5-en-20-one; デルタ5-プレグネン-3ベータ-オール-20-ワン


概要

プレグネノロンは、コレステロールから代謝される内因性神経ステロイドです。コルチゾール、アロプレグナノロン、デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)、プロゲステロンなど、ほぼすべての神経ステロイドの前駆体となります。神経ステロイドは脳や副腎で生成され、細胞膜レベルで作用します。アメリカでは市販のサプリメントとして入手可能です。


安全性

  • 可能性として安全:
    • 経口摂取で適切に短期間使用される場合。最大12週間、1日500 mgまでの使用が安全とされています。
  • 子供:
    • 11~17歳の青年で10週間、1日200 mgの使用が安全とされています。
    • 小児や長期間使用の安全性についての情報は不足しています。
  • 妊娠・授乳中:
    • 安全性についての十分な情報がないため、使用は避けるべきです。

副作用

  • 一般的な副作用:
    • にきび、興奮、下痢、眠気、髪の脱落、皮膚の膿瘍、発汗、震えなどが報告されています。

有効性

現在、プレグネノロンの効果について信頼できる証拠は不足していますが、以下の用途で関心が寄せられています:

  • 老化、アルツハイマー病、うつ病、バイポーラ障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)、統合失調症、記憶: 効果についての十分な情報がありません。
  • COVID-19、疲労、月経前症候群(PMS)、更年期症状: これらの条件に対する効果についても不明です。

さらなる研究が必要とされています。


投与量と使用方法

  • 成人:
    • 最も一般的には、1日50~250 mgを2回に分けて、最長12週間使用されています。
  • 子供:
    • 限られた研究があり、典型的な投与量の情報はありません。

相互作用

  • ベンゾジアゼピン: プレグネノロンがその効果を減少させる可能性があります。
  • エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン: プレグネノロンがこれらのホルモンの効果を増強する可能性があります。
  • DHEA: 効果を増強する可能性があります。

作用機序

  • 神経ステロイドの前駆体:

    • プレグネノロンはコレステロールから合成され、プロゲステロン、アルドステロン、コルチゾール、DHEA、テストステロン、エストロゲンなどのホルモンの前駆体となります。
  • 精神疾患への効果:

    • 統合失調症やバイポーラ障害では、プレグネノロンとその代謝物がGABA-A、NMDA、コリン作動性、ドーパミン作動性、神経栄養系に作用し、神経の興奮性を調節します。これが、症状の改善に寄与する可能性があります。
    • 自閉症では、GABA受容体の減少が観察されており、プレグネノロンがこの機能を補う可能性が検討されています。
  • 疼痛管理:

    • プレグネノロンの代謝物であるアロプレグナノロンがGABA受容体に作用し、鎮痛効果を示す可能性があります。
  • 抗炎症効果:

    • アロプレグナノロンはアポトーシスを減少させ、抗炎症効果を持つ可能性があるとされています。

結論

プレグネノロンは神経ステロイドとして注目されていますが、ほとんどの用途で有効性についての信頼できる証拠が不足しています。短期間の使用では比較的安全と考えられていますが、長期使用や特定の医療目的での利用については慎重に検討する必要があります。医療専門家に相談のうえ使用してください。


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