カリウム (Potassium)

投稿者 :リンクプロ on

学名
カリウム (Potassium), 元素記号: K, 原子番号: 19


その他の一般的な名称

概要
カリウムは体内で最も豊富な細胞内電解質であり、筋肉収縮、心血管機能、泌尿器機能、酸塩基平衡、等張性、酵素反応など多くの体内活動に重要な役割を果たします。


安全性

安全と考えられる場合:

  • 経口摂取: 1日最大100 mEq(24時間で最大200 mEqまで)では安全とされています。経口カリウム塩化物およびカリウムクエン酸塩はFDA承認済みの処方薬です。
  • 静脈内投与(IV): 適切な速度で投与される場合は安全です。

注意が必要な場合:
腎疾患、心不全、副腎不全などの高カリウム血症リスクが高い人ではカリウムレベルを監視する必要があります。

子ども:
食事量で適切に摂取する場合は安全とされていますが、許容上限摂取量(UL)は設定されていません。

妊娠中・授乳中:
1日40~80 mEqの摂取量では安全と考えられます。


副作用

一般的な副作用:

  • 経口摂取: 腹痛、げっぷ、下痢、鼓腸、吐き気、嘔吐。

まれに起こる重篤な副作用:

  • 高カリウム血症による不整脈、心ブロック、低血圧、精神的混乱など。

有効性

有効とされる用途:

  • 低カリウム血症: 経口または静脈内カリウムで治療・予防可能。

効果が高い可能性がある用途:

  • 高血圧: カリウムの経口摂取は血圧を低下させる。
  • 腎結石: カリウムクエン酸塩は腎結石の再発リスクを減少させる。

効果がある可能性がある用途:

  • 心血管疾患 (CVD): カリウムが豊富でナトリウムが少ない食事は、心血管疾患リスクを低下させる可能性がある。
  • 脳卒中: カリウムが豊富でナトリウムが少ない食事がリスクを低下させる可能性がある。

十分な証拠がない用途:

  • 歯の知覚過敏、糖尿病、骨粗しょう症、身体能力向上、全身性エリテマトーデス(SLE)など。

投与量と使用方法

成人:

  • 男性(19歳以上): 1日3.4 g
  • 女性(19歳以上): 1日2.6 g
  • 妊娠中: 1日2.9 g
  • 授乳中: 1日2.8 g

子ども:
年齢に応じた適切な摂取量は以下の通り:

  • 0~6ヶ月: 400 mg
  • 7~12ヶ月: 860 mg
  • 1~3歳: 2 g
  • 4~8歳: 2.3 g
  • 9~13歳(男性): 2.5 g、(女性): 2.3 g
  • 14~18歳(男性): 3 g、(女性): 2.3 g

相互作用

薬剤との相互作用:

  • ACE阻害薬: 高用量のカリウムと併用すると高カリウム血症のリスクが増加。
  • アンジオテンシン受容体拮抗薬 (ARBs): 同上。
  • カリウム保持性利尿薬: 同上。

栄養補給剤との相互作用:
既知の相互作用はありません。


過剰摂取

症状:
高カリウム血症は、四肢のしびれ、筋力低下、麻痺、意識混濁、不整脈、心ブロックなどを引き起こす可能性があります。

治療:
高カリウム血症の管理は確立されており、医療ガイドラインに基づいて対応されます。


メカニズム

  • 一般的な役割: 神経インパルスの伝達、筋肉の収縮、胃酸分泌、腎機能、組織合成、炭水化物合成に不可欠です。
  • 心血管効果: 高ナトリウム摂取時の血圧上昇を防ぐために、カリウム摂取を増やすことが推奨されています。
  • 骨効果: カリウムはカルシウムとリンのホメオスタシスを改善し、骨健康を向上させる可能性があります。

結論

カリウムは健康維持に不可欠な栄養素ですが、高用量の摂取や特定の疾患を持つ場合には注意が必要です。適切な摂取量を守り、医療専門家と相談してください。


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