グラベルルート(Gravel Root)

投稿者 :リンクプロ on

概要

  • 学名: Eupatorium purpureum(別名 Eupatoriadelphus purpureus
  • 科名: キク科(Asteraceae/Compositae)
  • 注意: ボーンセット(Boneset)やトレーリングアルブータス(Trailing Arbutus)とは別物として扱ってください。

グラベルルートは薬用として利用される植物ですが、一部の製品には肝毒性を持つピロリジジンアルカロイド(PA)成分が含まれ、これは安全性に問題があります。


使用目的

経口摂取で以下の症状や疾患に使用されます:

  • 尿路結石(尿管結石、膀胱結石)、膀胱炎、排尿痛、尿道炎、前立腺炎、リウマチ、痛風
  • マラリア、デング熱、発熱、発疹チフス
  • 制酸剤、健胃薬、利尿薬、催吐薬、刺激薬、強壮薬、発汗誘発

安全性

  • おそらく安全ではない:
    肝毒性ピロリジジンアルカロイド(PA)成分を含む製品を経口摂取する場合、繰り返し低濃度のPAに曝露すると、重度の肝静脈閉塞症(veno-occlusive disease)が発生する可能性があります。PAは発がん性や変異原性を持つ可能性もあります。そのため、PAが含まれていないことが認証された製品のみを使用するよう患者に指導してください。

  • 妊娠中:
    おそらく安全ではない。PAを含むグラベルルート製品は、胎児毒性や肝毒性を引き起こす可能性があります。

  • 授乳中:
    おそらく安全ではない。PA成分が母乳を通じて排出される可能性があります。


副作用

  • 一般的な副作用:
    グラベルルートの最大の懸念は、ピロリジジンアルカロイド(PA)の含有量です。これらの成分は肝臓および肺に損傷を与える可能性があります。

  • 症状例:

    • 肝毒性: PAによる肝毒性は酸化ストレスを増加させると考えられています。単回投与で10~20 mgのPA、または10 mcg未満の量を慢性的に摂取すると、肝静脈閉塞症を引き起こすことがあります。
    • 肺毒性: PAは肺にも毒性を持ち、動物実験では肺高血圧症および右心室肥大が確認されています。
  • 局所使用:
    PAが含まれる製品を破損した皮膚に適用すると、吸収により全身毒性を引き起こす可能性があります。


効果

グラベルルートの効果に関する信頼できる情報は不十分です。


投与および使用方法

  • 成人:
    標準的な用量はありません。

標準化および製剤

  • グラベルルートの標準化に関する信頼できる情報は不足しています。

薬物相互作用

  • CYP3A4誘導薬:
    CYP3A4を誘導する薬剤(例: カルバマゼピン、リファンピンなど)は、PAを毒性の高い代謝物に変換する可能性があり、毒性が増加します。

  • リチウム:
    グラベルルートには利尿作用があると考えられており、リチウムの排泄を減少させて血中濃度を上昇させる可能性があります。


サプリメントとの相互作用

  • CYP3A4誘導ハーブ:
    エキナセア、ニンニク、甘草、セントジョンズワート、チサンザラなど。これらはPAの毒性代謝物への変換を増加させる可能性があります。

  • PA含有ハーブ:
    同時使用は推奨されません。PAを含むハーブには、コンフリー、ボラージュ、タンジーラグワートなどがあります。


作用機序

  • 抗炎症作用:
    動物実験では、グラベルルート抽出物が抗炎症活性を持つことが示されています。

  • 肝毒性作用:
    特に環状ジエステル型のPA(例: レトロルシン、セネシオニン)は強い肝毒性を持ちます。

  • 肺毒性作用:
    PAは肺に毒性を持ち、肺高血圧症や右心室肥大を引き起こす可能性があります。


分類

  • 利尿薬
  • 肝毒性物質
  • ピロリジジンアルカロイド(PA)含有天然成分

グラベルルートを使用する際は、必ずPAが含まれていない認証済みの製品を選び、安全性を考慮してください。


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