ラブダナム (Labdanum)
投稿者 :リンクプロ on
概要
ラブダナムは、主に Cistus ladanifer と Cistus creticus という近縁種の植物から得られる樹脂や精油を指します。これらの植物は地中海地域の南ヨーロッパおよび北アフリカに自生し、乾燥した丘陵地帯で育つ多年生低木です。ラブダナム樹脂は、これらの植物の葉や茎から分泌される粘着性のある芳香成分です (98403)。
安全性
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安全と考えられる場合:
- 食品中の量: 食品に含まれる通常量では安全とされています。ラブダナムは米国食品医薬品局(FDA)によって食品添加物として許可されています (93229)。
- 局所使用: 適切に使用すれば安全とされています。ただし、接触性皮膚炎が報告された例もあります (98406, 95318)。
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注意が必要な場合:
- 医療量での経口摂取: 十分な信頼できる情報が不足しています。
- 妊娠および授乳中: 食品中の量を超える使用についての安全性が不明であるため、使用を避けるべきです。
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副作用:
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一般的な副作用:
- 経口摂取:吐き気や胃の不快感が報告されています (98408)。
- 局所使用:接触性皮膚炎が報告されています (98406, 98407)。
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一般的な副作用:
効果のある可能性
- 上気道感染症 (URTI): 初期研究によると、Cistus creticus の特定抽出物(Cystus052)が含まれたトローチを使用すると、ウイルス感染症に関連する症状をプラセボに比べて30%軽減する可能性があります (98408)。
証拠が不十分な用途
- 呼吸器感染症、胃腸障害、リウマチ、肌の老化、切り傷の治癒、ストレス緩和など。
投与量と使用方法
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成人:
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上気道感染症 (URTI):
- Cystus052 (18 mg ポリフェノールを含む) のトローチを1回2錠、1日最大6回、7日間使用。
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上気道感染症 (URTI):
作用機序
ラブダナムの抽出物や精油には、以下のような活性成分が含まれています:
- 樹脂中: ラブダン化合物、酸、揮発性油 (11)。
- 精油中: リモネン、ピネン、サビネン、1,8-シネオール、ゲラニオールなど (11)。
- 水性抽出物: ポリフェノール(エピガロカテキン)、フラボノイド(クエルセチン、カンペフェロール)、フェノール酸(ガリル酸、エラグ酸)など (98403, 106532)。
特性と研究結果
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抗ウイルス効果:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エボラウイルス、マールブルグウイルスの感染を阻害することが報告されています。また、インフルエンザウイルスの複製を阻害し、宿主細胞への結合を防ぐ可能性があります (98401, 98402, 98410)。 -
抗酸化効果:
ポリフェノールやフラボノイドにより、フリーラジカルを抑制する抗酸化作用が確認されています (106532)。 -
抗炎症効果:
ラットの実験で、炎症を軽減する作用が観察されています (98404)。 -
胃腸保護効果:
ラットにおいて、胃潰瘍に対する保護効果が示されています (4050)。
分類
- アロマセラピー剤
- 抗炎症剤
- 抗酸化剤
- 香料および定着剤
References
See Monograph References
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