キヌア(Quinoa)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Chenopodium quinoa

科名
ヒユ科(Chenopodiaceae/Amaranthaceae)


概要

キヌアは南米アンデス地方に自生する穀物作物で、紀元前3000年頃から干ばつ耐性のある食用穀物として利用されています。高タンパク質でグルテンを含まないため、ベジタリアンのタンパク源や、セリアック病やグルテン不耐症の人々の小麦代替品として使用されます。ただし、タンパク質含有量が他の穀物より高い一方で、総タンパク質量は肉の代替品として考えるには不十分とされています (27590,27591,99148,112063)。


安全性

  • おそらく安全
    • 食品量で経口摂取する場合。キヌアは多くの人々の一般的な食糧源です (99147,99148)。
  • 妊娠・授乳中
    • 食品量での摂取は「おそらく安全」と考えられますが、医薬品量での使用についての十分な信頼できる情報がないため、避けるべきです。

副作用

  • 一般的な副作用
    • キヌアは通常、良好に耐容されます。ただし、稀にアレルギー反応(アナフィラキシーを含む)が報告されています (99150,96062)。

有効性

評価に十分なエビデンスが不足している

以下の状態における効果は不明です:

  • 肥満
    • 健康な過体重男性を対象とした予備研究では、キヌア粉20グラムを含むパンを4週間摂取しても体組成、血圧、血糖、コレステロール値に有意な影響が見られませんでした (99147)。
  • 閉経後の健康状態
    • 閉経後の成人を対象にした小規模研究では、キヌアフレーク25グラムを4週間摂取しても、糖代謝や脂質指数、体組成に改善は見られませんでした (99148)。

用量と使用方法

  • 経口摂取
    • 研究は限られており、標準的な用量は不明です。

薬物との相互作用

  • 現在、知られている相互作用はありません。

作用機序

  • 一般
    • キヌアの種子は偽穀物として使用され、小麦などの穀物の代替品として利用されます。キヌアはバランスの取れたアミノ酸プロファイルを持ち、必須アミノ酸をすべて含みます (112063)。また、炭水化物がゆっくり消化されるため、血糖値の急上昇を抑える可能性があります (99147,112065)。
    • キヌア粉は、乾燥重量でタンパク質16%、ビタミンE 19 mg/kg、鉄70 mg/kg、マグネシウム1.8 g/kgを含みます。

主な作用

  1. 抗糖尿病効果
    • ラットの糖尿病モデルでは、キヌア種子の水抽出物が血糖値を低下させ、耐糖能を改善しました (106581)。
  2. 抗酸化作用
    • キヌア種子の水抽出物は、試験管内で強力な抗酸化活性を示しました (106581)。
  3. 心血管効果
    • 高血圧ラットモデルでは、キヌア由来のタンパク質が血圧を低下させ、キャプトプリル(降圧薬)と同等の効果を示しました (106582)。
  4. 腸内細菌叢への影響
    • キヌアは腸内細菌の代謝や構造を調整し、腸内環境の改善に寄与する可能性があります (106582,112065)。
  5. 体重への影響
    • キヌアは満腹感を高め、体重やウエスト周囲径をわずかに減少させる可能性があります (106583,112063)。

まとめ

キヌアは栄養価が高く、グルテン不耐症やセリアック病の人々にとって有益な食品です。食品量での摂取は安全とされていますが、医薬品量での使用に関する情報は不足しています。健康効果に関するさらなる研究が必要です。

References

See Monograph References


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