パルミトイルエタノールアミド(Palmitoylethanolamide )(PEA)
投稿者 :リンクプロ on
学名
N-(2-Hydroxyethyl) hexadecanamide
概要
パルミトイルエタノールアミド(PEA)は脂肪酸アミドの一種で、卵黄や植物性脂肪(大豆レシチンやピーナッツなど)に含まれています(93320,93322,93333,93371)。PEAは、ストレスや痛みの際に体内で自然に生成されます。ヨーロッパでは、医療監督の下で微粉化または超微粉化製品として使用されており、「特別医療目的食品」に分類されています(93314)。
安全性
おそらく安全
- 経口使用:短期間で適切に使用する場合。1日最大1400 mgを3か月間使用して安全とされています(93314,93326,93327,93333,93335,93338,93339,93369,93373,101333)。
- 外用使用:0.3%のPEAと0.21%のN-アセチルエタノールアミンを含む保湿剤が、1日2回28日間使用されて安全とされています(106271)。
子供:おそらく安全
- 4~17歳の子供において、1日300~600 mgを2回投与する方法で10~12週間使用されて安全とされています(101338,106266)。
妊娠および授乳中
- 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
一般的な副作用:
- 経口使用:吐き気が報告されています。
- 外用使用:一般的に良好に耐容されます。
効能
おそらく有効
- 変形性関節症:PEAは痛みを軽減し、関節の機能を改善する可能性があります。
- 慢性疼痛:さまざまな原因による慢性疼痛を軽減する可能性があります。
おそらく効果がない
- 脊髄損傷:PEAは脊髄損傷による痛みや痙縮を軽減する効果がないようです。
信頼できる証拠が不足しているもの
- ALS(筋萎縮性側索硬化症):PEAの有効性は不明です。
- アトピー性皮膚炎:PEAの外用使用は他の成分との組み合わせで評価されており、単独での効果は不明です。
- 自閉スペクトラム症:PEAの有効性は不明です。
- 坐骨神経痛:小規模な臨床試験では、PEAが痛みを軽減する可能性が示されています。
投与量
成人
- 経口使用:1日300~1200 mgを1~2回に分けて、2~12週間使用するのが一般的です。
- 外用使用:クリームやローションとして使用されます。
- 眼科用:PEAを含む点眼薬として使用されます。
子供
- 経口使用:1日300~600 mgを1~2回に分けて、最大3か月間使用します。
標準化と製剤化
PEAは微粉化(2~10ミクロン)や超微粉化(0.8~6ミクロン)の製剤が市販されており、溶解性と吸収性が向上しています(93333,93335,93338)。
機序
鎮痛作用
PEAは神経損傷部位での局所抗炎症作用を通じて痛みを軽減する可能性があります(93320,93368,93371)。また、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)の阻害によりエンドカンナビノイドの作用を延長する可能性があります(93370,101410)。
抗炎症作用
PEAは炎症性サイトカインの放出を抑制し、肥満細胞やグリア細胞を免疫活性状態から休止状態に移行させると考えられています(93314,93320,93368,93371,101402,101404,101410)。
神経保護作用
アルツハイマー病や自閉症スペクトラム症、脳卒中後の神経保護に対するPEAの可能性が示唆されています(101405,101401,93339)。
References
See Monograph References
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