ロレンゾオイル(Lorenzo's oil)
投稿者 :リンクプロ on
学名
13-ドコセン酸(エルシン酸);cis-9-オクタデセン酸(オレイン酸)
概要
ロレンゾのオイルは、エルシン酸とオレイン酸を1:4の比率で組み合わせたモノ不飽和脂肪酸の混合物です。この名称は、アドレノ白質ジストロフィー(ALD)という希少な遺伝性疾患を発症したロレンゾ・オドーネという子供に由来します。ALDは遺伝子ABCD1の欠陥に起因すると考えられ、ヘキサコサン酸などの極長鎖脂肪酸(VLCFAs)が体内に蓄積される病気です。この混合物は、これらの脂肪酸の蓄積を減少させ、疾患の進行を遅らせる可能性があることが発見され、「ロレンゾのオイル」として知られるようになりました。
現在、米国ではロレンゾのオイルは臨床試験に参加している患者にのみ提供されており、FDA承認薬としての承認取得が進められています。
使用目的
- 経口使用: 小児における**アドレノ白質ジストロフィー(ALD)と、成人におけるアドレノ脊髄ニューロパチー(AMN)**の治療に使用されます。
安全性
- おそらく安全:適切な使用量で経口摂取した場合、安全であると考えられています。臨床試験で最大2年間安全に使用された記録があります。
- 子供:2ヶ月〜15歳の小児で最大13年間安全に使用されたデータがあります。
- 妊娠・授乳中:信頼できる十分な情報がないため、使用を避けてください。
副作用
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一般的な副作用:
- 血小板減少症
- 好中球減少症
- 紫斑、点状出血、出血などの血液系の異常
効果
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おそらく効果がある:
- アドレノ白質ジストロフィー(ALD):無症候性のALD児で、13年間の経口投与が神経学的異常やMRI異常のリスクを低減する可能性が示されています。ただし、症候性のALDには有効でないとする研究が多いです。
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おそらく効果がない:
- アドレノ脊髄ニューロパチー(AMN):AMN患者では、症状の改善や進行抑制には効果がないとされています。
投与と管理
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子供:
- ALD:1日2-3 mL/kg体重のロレンゾのオイルが使用されています。
標準化と製剤
- ロレンゾのオイルは、約20%のエルシン酸と80%のオレイン酸から成る1:4の比率の混合物であり、これらはトリグリセリド(グリセロトリオレイン酸およびグリセロトリエルシン酸)として存在します。
相互作用
- 薬剤との相互作用:現在、知られている相互作用はありません。
- サプリメントとの相互作用:なし
過剰摂取
- 過剰摂取に関する信頼できる情報は不足しています。
薬物動態
- 吸収:十分な情報がありません。
- 代謝:信頼できる情報は不足しています。
作用機序
- ロレンゾのオイルは、エルシン酸とオレイン酸のトリグリセリド混合物です。
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脂肪酸への影響:
- ALDとAMNでは、極長鎖脂肪酸(VLCFAs)の蓄積が神経症状の進行に関与します。ロレンゾのオイルはこれらの脂肪酸の産生を阻害し、約4週間で正常値まで減少させます。
- 症状が出る前の段階で神経損傷を防ぐ可能性がありますが、一旦症状が出現した後ではほとんど効果がないとされています。
分類
- 脂質代謝調節剤
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- タグ: サプリメント