学名
Lipase
概要 (Overview)
リパーゼは、トリグリセリド(脂肪)を分解する消化酵素で、動植物に存在する酵素群を指します。酸耐性リパーゼは、食事補助のためのサプリメントとして使用されています。このモノグラフは、膵臓由来ではないリパーゼサプリメントに限定しています。
安全性 (Safety)
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成人: 安全性に関する信頼できる情報が不足しています。
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子供: 満期産児や年長児での使用安全性に関する信頼できる情報はありません。
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可能な危険性: 未熟児において組み換えヒト胆汁酸刺激リパーゼ(rhBSSL)を経口使用すると、壊死性腸炎などの重篤な消化管副作用のリスクが高まる可能性があります。
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妊娠・授乳中: 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けるべきです。
副作用 (Adverse Effects)
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一般的な副作用: 成人での使用において特に報告された副作用はありません。ただし、安全性の評価は十分に行われていません。
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重大な副作用(まれ):
- 未熟児での壊死性腸炎などの消化管副作用が報告されています。
効果 (Effectiveness)
十分な証拠がないもの
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セリアック病: 効果に関する信頼できる情報は不足しています。
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消化不良(ディスペプシア): 食後不快症候群の症状改善への有効性は不明です。
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炎症性腸疾患(IBD): 使用に関する信頼できる情報は不足しています。
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未熟児: rhBSSLを配合した乳児用調製粉乳の効果は不明で、リスクの増加が示唆されています。
用法・用量 (Dosing & Administration)
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成人:
- 研究が限られており、一般的な用量についての情報はありません。
相互作用 (Interactions)
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薬物との相互作用: 知られているものはありません。
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サプリメントとの相互作用: 知られているものはありません。
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疾患との相互作用: 知られているものはありません。
作用機序 (Mechanism of Action)
- リパーゼは消化酵素であり、植物、乳製品、細菌、カビ、動物組織などに広く分布しています。
- 主に胃および小腸でトリグリセリドを加水分解し、脂肪の消化を助けます。
- サプリメントに含まれるリパーゼは胃酸で破壊されるため、酸耐性を主張する製品もあります。
認知効果 (Cognitive Effects)
- アルツハイマー病のマウスモデルでは、酵母由来リパーゼを2ヶ月間飲料水に追加すると、記憶や学習の指標が改善されたとの報告があります。
分類 (Classifications)
リパーゼは、特に消化をサポートするサプリメントとして広く利用されていますが、特定の健康状態に対する効果を裏付けるためにはさらなる研究が必要です。