ヨーロピアン・バックソーン (European Buckthorn)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Rhamnus cathartica

科名
クロウメモドキ科 (Rhamnaceae)

注意
「ヨーロピアン・バックソーン」は「アルダーバックソーン」「シーバックソーン」「カスカラ(カリフォルニアバックソーン)」とは別の植物ですので、混同しないようにしてください。


概要

ヨーロピアン・バックソーンはヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産の植物で、北米にも帰化しています。主に便秘のために利用されています。


主なポイント

  1. 便秘への利用:便秘に対して刺激性下剤として使用されることがあります。
  2. 短期間の使用は比較的安全:標準化された製品を8~10日間まで使用する場合は可能性として安全とされています。ただし、長期使用や過剰使用は危険です。
  3. 副作用のリスク:腹痛、けいれん、下痢が起こることがあります。また、10日以上の使用はカリウム欠乏のリスクを高める可能性があります。
  4. 薬物との相互作用:ジゴキシンなどの薬物の毒性を増大させる可能性があるため、併用は避けるべきです。

使用法

経口

  • 便秘:伝統的には、果実に含まれるヒドロキシアントラセン誘導体として20~30 mg(グルコフランギリンAとして計算)の摂取が推奨されています。
    • ティー:2~4グラムの果実を150 mLの沸騰した湯で10~15分間抽出して濾したものを、1日1~3回摂取します。便を柔らかくするのに必要な最小量で使用します。
    • 最大期間:使用期間は8~10日を超えないようにします。

安全性

  1. 短期間使用時

    • 可能性として安全:標準化された製品を8~10日間使用する場合。ただし、水様便や下痢が生じた場合はすぐに中止する必要があります。
  2. 長期使用時

    • 可能性として危険:10日以上の使用は、下痢やカリウム欠乏のリスクが高まる可能性があるため推奨されません。
  3. 妊娠・授乳中

    • 危険:経口使用は避けてください。
  4. 子供への使用

    • 危険:12歳未満の子供への使用は避けるべきです。

副作用

  • 短期的な副作用

    • 腹痛、けいれん、下痢など。
  • 長期的な副作用

    • カリウム欠乏症(心臓機能の障害や筋力低下を引き起こす可能性あり)、偽メラノーシス大腸(腸粘膜の色素沈着、通常は無害で中止後に回復)。

効果

  1. 便秘

    • 刺激性下剤として、腸の動きを活発にする効果があります。カスカラよりも緩やかな効果があると考えられています。
  2. その他の効果

    • 信頼できる情報が不足しているため、他の用途に対する有効性は不明です。

薬物との相互作用

  1. ジゴキシン(Lanoxin)

    • 重大な相互作用:併用は避けるべきです。カリウム欠乏がジゴキシンの毒性を高める可能性があります。
  2. 利尿薬

    • 中程度の相互作用:カリウム欠乏を悪化させる可能性があります。
  3. ワルファリン(Coumadin)

    • 中程度の相互作用:下痢によりINRが上昇し、出血リスクが高まる可能性があります。
  4. その他の刺激性下剤

    • 他の刺激性下剤との併用は、体液および電解質喪失のリスクを高める可能性があります。

作用機序

  • 下剤作用
    • ヨーロピアン・バックソーンの果実に含まれるアントラキノンが腸の動きを刺激し、内容物の水分量を増加させます。ただし、過剰使用や乱用は電解質の喪失を引き起こすリスクがあります。

ヨーロピアン・バックソーンは短期間の便秘解消には効果的ですが、長期使用や過剰摂取は健康リスクを伴うため、慎重に使用する必要があります。特に薬物を服用中の場合や、妊娠・授乳中には使用を避けてください。


この投稿をシェアする



← 投稿順 新着順 →