学名
Eucalyptus globulus, Eucalyptus bicostata, Eucalyptus camaldulensis など
科名
フトモモ科 (Myrtaceae)
注意
ユーカリはレモンユーカリ(別種)とは混同しないようにしてください。
概要
ユーカリはオーストラリア原産の花木や低木の属で、伝統的にアボリジニの薬として使用されてきました。現在では、ユーカリは世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されています。ユーカリの葉から蒸留されたオイルは、食品や医薬品の成分としても広く使われています。
安全性
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経口で食品中の量で使用する場合:おそらく安全
ユーカリは、米国で食品の香料として「一般的に安全と認められる(GRAS)」ステータスを持っています。
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ユーカリオイル成分の1,8-シネオール(ユーカリプトール)を経口で適切に使用する場合:おそらく安全
最大12週間までの使用で安全性が確認されています。
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未希釈のユーカリオイルを経口で摂取する場合:おそらく危険
3.5mLの未希釈オイルを摂取すると成人で致命的となる可能性があります。
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未希釈オイルを外用する場合:おそらく危険
長期間または広範囲に使用すると、神経毒性を引き起こす可能性があります。
- 妊娠・授乳中:食品中の量で使用する場合は安全と考えられるが、薬用量は情報不足のため避けるべき
子供の場合
- 食品中の量で経口使用する場合:安全と考えられる
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ユーカリオイルの経口摂取:危険
神経毒性の報告があるため、子供には特に注意が必要です。
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外用または吸入(アロマセラピーとして):危険
乳幼児における神経毒性の事例が複数報告されています。
副作用
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一般的な副作用
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経口摂取:下痢、吐き気、嘔吐
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外用:やけど感、かゆみ、赤み、刺すような痛み
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深刻な副作用(まれ)
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経口摂取:未希釈オイルの場合、中枢神経抑制、呼吸浅くなる、昏睡、死亡のリスク
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外用:大量または長期間の使用で運動失調、けいれん、筋力低下など
効果と適応症
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エビデンスが不十分なもの
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喘息:ユーカリプトールがステロイド剤の使用量を減らす可能性あり。
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慢性閉塞性肺疾患(COPD):安定した患者で急性増悪を減らす可能性あり。
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歯肉炎・口臭:ユーカリエキス含有ガムの使用で改善が見られる可能性。
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その他:インフルエンザ、リウマチ、真菌感染症など。
投与方法
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成人の経口摂取
- ユーカリプトール200mgを1日3回、最大3週間まで使用。
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外用・吸入
相互作用
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薬剤
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アンフェタミン:吸入時に効果が低下する可能性。
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抗糖尿病薬:低血糖のリスクを高める可能性。
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CYP酵素基質薬:代謝が遅くなる可能性あり。
中毒
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症状
- 経口摂取の場合、1mLの未希釈オイルでも毒性症状が発生する可能性あり。3.5mL以上で致命的なリスク。
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治療:早期の胃洗浄や活性炭の投与が推奨される場合あり。
ユーカリは慎重に使用すれば食品や医薬品として役立ちますが、未希釈オイルや高用量は危険です。特に子供や妊娠中の使用には注意が必要です。