グルクロンラクトン (Glucuronolactone)

投稿者 :リンクプロ on

概要

  • 学名: Glucuronolactone
  • 科名: 指定なし

その他の名称: 記載なし


概要

グルクロンラクトンは化学物質で、人間や他の哺乳類の体内でグルコースから少量自然に生成されます。通常の食事では1〜2mg/日のグルクロンラクトンが供給されます。合成されたグルクロンラクトンは、エナジードリンクの成分として使用されています (102617, 102620, 102621)。


主なポイント

  • エナジードリンクの成分として使用され、注意力や運動能力の向上に役立つとされていますが、これを支持する強力なエビデンスはありません。
  • 食品量として摂取する場合は「安全と考えられる」。
  • 医薬品として使用する場合の安全性に関する情報は不十分。

使用用途

  • 経口摂取:
    • 抗結核療法に関連した肝毒性の緩和。
    • カフェインやタウリンなどと組み合わせてエナジードリンクに使用され、注意力や運動能力の向上を目的とする。
  • 欧州: 一部の化粧品製品にも使用される。

安全性

  • 可能性として安全:

    • 食品量として経口摂取する場合、通常の食事から供給される1〜2mgは安全性に問題がないとされています (102620, 102621)。
  • 情報不足:

    • 医薬品としての使用や高用量での安全性に関する十分なデータはありません。
    • 一部の国ではエナジードリンクに含まれる量は安全と考えられていますが、サプリメントとしての結論的な証拠は不十分です。
  • 妊娠・授乳中:

    • 信頼できる情報が不足しているため、食品以上の量での使用は避けるべきです。
  • 小児:

    • 信頼できる情報が不足しているため、食品以上の量での使用は避けるべきです。

副作用

  • 一般的な情報:
    • グルクロンラクトン自体による副作用は報告されていません。ただし、エナジードリンクに含まれる場合、報告される副作用は主にカフェインやタウリンなど他の成分に関連しています (102617, 102619, 102621)。

有効性

  • 十分な信頼できる情報が不足しているため、有効性を評価できません。

用法・用量

  • 成人: 通常の用量情報は不明。
  • 小児: 通常の用量情報は不明。

標準化と製剤化

  • グルクロンラクトンの標準化に関する信頼できる情報はありません。

薬物相互作用

  • 既知の相互作用はありません。

サプリメントとの相互作用

  • 既知の相互作用はありません。

疾患との相互作用

  • 既知の相互作用はありません。

過剰摂取

  • ラットを対象とした13週間のサブクロニック試験では、グルクロンラクトンの観察される有害影響のないレベル (NOAEL) が300mg/kg/日でした (102620)。
    • 高用量(600〜1000mg/kg/日)では、女性の腎臓乳頭で空胞化や炎症性変化が見られましたが、後の研究ではこれらの腎変化が偶発的なものであると判断されています。
    • NOAELは1000mg/kgで、これはエナジードリンクからの平均摂取量の約200倍に相当します。
    • 子供や成人に対する健康リスクはほぼないと考えられます。

薬物動態

  • 吸収: グルクロンラクトンはすぐに吸収されます。ラットでは、経口摂取後1〜2時間で血漿濃度がピークに達します (102620)。
  • 代謝: ヒトでは、グルクロンラクトンはグルクロン酸、グルカリック酸、キシリトール、L-キシルロースに代謝されます (102613, 102615, 102620, 102621)。
  • 排泄: グルクロンラクトンおよびその代謝産物は、経口摂取後24〜48時間以内に尿中に排泄されます (102613)。

作用機序

  • グルクロンラクトンは体内でグルコースから自然に生成され、食品にも少量含まれています。エナジードリンク用には、硝酸とデンプンから合成されています (102617, 102620, 102621)。

  • 運動パフォーマンス効果:

    • エナジードリンクの一般的な成分として使用され、カフェインやタウリンと併用されます。
    • 限定的な動物研究では、グルクロンラクトンが肝臓のグリコーゲンおよび血糖値を増加させることで、運動持続時間を延長させる可能性が示唆されています (102615)。

 

作用機序(続き)

  • グルクロンラクトンの代謝:
    グルクロンラクトンは肝細胞内でグルカリック酸に代謝されます (102612, 102614)。また、ラットではグルクロンラクトンの一部がビタミンCに代謝されることが確認されています (102621)。
    生理的pHでは、グルクロンラクトンはグルクロン酸と平衡状態にあります (102621)。

  • 体内での変換:
    ヒトでは、グルクロンラクトンは自然にグルコースから少量生成され、主にグルクロン酸、グルカリック酸、キシリトール、L-キシルロースに変換されます。

  • 健康や運動パフォーマンスに関する効果の証拠不足:
    「エナジードリンク」における主要成分として使用されていますが、人間の運動能力や注意力向上における明確な有益性を示す十分なデータは存在しません。


分類

  • グルクロンラクトンは以下の分類には該当していません:
    特定の医薬品作用、主要な免疫調節、または顕著な抗酸化物質としての分類。

結論

グルクロンラクトンは、主にエナジードリンクに使用される成分で、食品から摂取される量では安全と考えられています。ただし、エナジードリンクで摂取される量や医薬品としての高用量使用に関する長期的な安全性についてはデータが限られています。また、グルクロンラクトン単体の効果に関する科学的証拠は不足しており、その多くは他の成分(カフェインやタウリンなど)に起因する可能性があります。

References

See Monograph References


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