高麗人参(Panax Ginseng)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Panax ginseng(シノニム:Panax schinseng)


概要

Panax ginseng(高麗人参)は成長が遅い落葉性植物で、Panax属に属する13種の植物の1つです。この属の植物は「ジンセン」と呼ばれることが多いですが、通常「ジンセン」という言葉はPanax ginseng種を指します。高麗人参は韓国、北東中国、極東シベリアで自生しています。伝統的な漢方医学では、鎮静剤として使用され、また「アダプトゲン」としても知られています。アダプトゲンは、身体が生理的および心理的ストレスに抵抗するのを助けるために使用されるハーブです。


安全性

  • おそらく安全:適切に短期間使用する場合(最大6か月間)、高麗人参は安全とみなされています。1日450 mgまでの発芽エキスを12週間使用した場合の安全性が確認されています。
  • おそらく安全ではない:長期間使用する場合、ホルモン様の作用により副作用の可能性が懸念されています。そのため、連続使用は6か月以内に制限することが推奨されます。
  • 子ども:乳児ではおそらく安全ではありません。乳児に使用すると中毒を引き起こし、死亡する可能性があります。5歳以上の子どもでの使用に関する情報は限られていますが、避けるべきです。
  • 妊娠中:おそらく安全ではありません。動物実験で、ジンセノシドRb1という成分に催奇形性が確認されています。
  • 授乳中:安全性に関する信頼できる情報が不足しているため、避けることが推奨されます。

副作用

  • 一般的な副作用:不眠症が最も一般的です。
  • まれな深刻な副作用:アナフィラキシー、不整脈、虚血、スティーブンス・ジョンソン症候群。

効能

おそらく有効

  • 認知機能:中年者において、抽象的思考、注意力、計算スキル、反応速度の改善が期待されます。ただし、若年者では同様の効果は観察されていません。
  • 勃起不全(ED):勃起機能や性機能を改善する可能性があります。
  • インフルエンザ:発症リスクをわずかに低下させる可能性がありますが、症状の重症度や持続期間には影響を及ぼさない可能性があります。
  • 多発性硬化症関連の疲労:多発性硬化症患者において疲労を軽減し、生活の質を向上させる可能性があります。
  • 性的興奮:閉経後の女性や性的機能障害を持つ女性の性的興奮を改善する可能性があります。

おそらく無効

  • 運動能力:ほとんどの研究で、運動能力の改善は認められていません。

証拠が不足

  • アルツハイマー病、糖尿病、慢性疲労症候群、がん、うつ病など、他のさまざまな症状や疾患に対する有効性は不明です。

用量と投与方法

  • 成人:1日200 mg~3 gを最大12週間使用するのが一般的です。場合によっては、9 gまでの使用が試みられることもあります。ジンセノシドの濃度は1%~80%に標準化されることがあります。
  • 小児:研究が限られているため、一般的な推奨用量は利用できません。
  • 外用:研究が限られているため、推奨用量は利用できません。

薬物相互作用

  • 抗凝固薬/抗血小板薬:理論的には出血リスクを高める可能性がありますが、臨床リスクは低いとされています。
  • 抗糖尿病薬:血糖値を低下させる可能性があり、低血糖のリスクを高める可能性があります。
  • カフェイン:カフェインを含む食品や飲料と併用すると、刺激作用が増強される可能性があります。
  • 免疫抑制剤:免疫抑制療法に干渉する可能性があります。

作用機序

Panax ginsengの主要な活性成分はジンセノシド(サポニンの一種)で、これが抗酸化作用、免疫調節、炎症抑制、神経保護効果など、さまざまな生物学的作用を発揮します。また、一部の研究では、ジンセノシドが血圧調節、血糖値管理、記憶力の向上にも寄与する可能性が示唆されています。


主な用途

  • 抗疲労作用:エネルギー増強と疲労軽減を目的としています。
  • 認知機能改善:中年者における認知スキルを向上させる可能性があります。
  • 抗酸化および抗炎症作用:細胞の酸化ストレスを軽減し、炎症を抑える効果があります。
  • 免疫機能の調節:自然免疫および獲得免疫をサポートします。
  • 血糖値調節:糖尿病やインスリン感受性の改善が期待されます。

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