マダー(アカネ)(Madder)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Rubia tinctorum

科名
アカネ科 (Rubiaceae)


概要

マダーは、西南アジアおよび中央アジアを原産とする植物で、地中海地域でも見られます。


歴史と用途

経口での使用:
マダーは、下痢、一般的な月経障害、泌尿器系疾患、血液疾患、打撲、黄疸、麻痺、脾臓疾患、坐骨神経痛の治療に使用されます。また、利尿剤、強壮剤、媚薬として、腎結石の予防と治療にも使用されます。

外用での使用:
皮膚疾患や創傷の治癒に使用されます。


安全性

おそらく安全でない

  • 経口使用: 発がん性および突然変異誘発性がある可能性があります。
  • 外用使用: 安全性に関する信頼できる情報は十分ではありません。

妊娠中:
経口使用は安全ではありません。月経刺激剤および遺伝毒性を持つ可能性があります。

授乳中:
経口使用は安全ではありません。遺伝毒性の可能性があり、母乳が赤くなることがあります。


副作用

全般:

  • マダーを経口摂取すると、尿、唾液、汗が赤くなることがあります。また、コンタクトレンズが着色する可能性があるため注意が必要です。
  • 外用: 接触皮膚炎が報告されています。

有効性

マダーの有効性に関する信頼できる情報は十分ではありません。


投与量と管理

成人:

  • 経口: 伝統的に、マダーの樹皮1ティースプーンを3カップの水とともに蓋付き容器で30分間煮込み、その後ゆっくり冷やして冷たいまま1日1~2カップ摂取する方法が用いられます。

薬物相互作用

現在、知られている薬物との相互作用はありません。


作用機序

  • 一般: マダーの有効部位は根であり、以下の成分を含みます:アントラキノン類(プルプリン、アリザリン、ルシジン、マンジスチンなど)、およびリンゴ酸、クエン酸、キナ酸、ローズマリン酸などのカルボン酸。
  • 下痢抑制効果: 動物実験で腸の通過速度を遅らせる効果が確認されています。
  • 抗菌効果: 創傷治癒および皮膚疾患のための外用薬として使用され、抗菌および抗真菌作用があります。
  • 抗ウイルス効果: マダー根の成分アリザリンは、HIV-1プロテアーゼの競合的阻害剤として作用します。
  • 腎結石抑制効果: マダー根の成分アリザリンがカルシウム結晶の形成を抑制し、腎臓や膀胱の結石形成を防ぐ可能性があります。

過剰摂取

  • マウスの毒性試験では、最大耐用量が体重1kgあたり3500~5000mgとされています。
  • ラットでは、食事中に10%のマダー根を2週間与えた場合、肝臓や腎臓、大腸でDNA付加体の形成が増加しました。

薬物動態学

  • 排泄: マダーの成分アリザリンは経口摂取後、尿と便に排泄されます。半減期は約12時間で、腎クリアランス率は29.2mL/分とされています。

注意: マダーは伝統的に使用されていますが、毒性が指摘されているため、使用には慎重を要します


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