ホミカ (Nux Vomica)
投稿者 :リンクプロ on
概要
ホミカ(Strychnos nux-vomica)は南アジアを原産とする植物で、伝統的なアーユルヴェーダやアジアの伝統医療で使用されてきました。この種子にはストリキニーネ(strychnine)という強力な毒素が含まれており、深刻な副作用や死亡を引き起こす可能性があります。
安全性
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経口:
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危険性:
- 30-50 mgのホミカ(ストリキニーネ約5 mg含有) は、不安、痙攣、呼吸困難などの重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
- 1-2 gのホミカ(ストリキニーネ60-90 mg含有) は致命的であり、摂取後3-6時間以内に死亡することがあります。
- 慢性的な低用量摂取でも、ストリキニーネが体内に蓄積し数週間後に死に至ることがあります。
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危険性:
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妊娠・授乳中:
- 妊娠: 経口での使用は危険です。
- 授乳: 使用は避けるべきです。
副作用
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一般的な副作用:
- 軽度: 不安感、筋肉のこわばり、反射の過剰亢進。
- 重度: 痛みを伴う全身痙攣、呼吸筋の痙攣による呼吸困難、最終的に心停止や多臓器不全。
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死亡:
- 死亡例の多くは、摂取後3-6時間以内に発生します。死因は呼吸停止、心停止、または高体温症による多臓器不全です。
有効性
信頼できる臨床データが不足しているため、以下の使用における有効性は不明です:
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化学療法による末梢神経障害:
- 初期研究では、ホミカ0.2-0.4 gを1日3回、30日間使用することで神経障害スコアが約15%改善したと報告されています。ただし、比較対照群がないため信頼性に欠けます。
さらなる研究が必要です。
用法・用量
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成人:
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末梢神経障害:
- ホミカ0.2-0.4 gを1日3回(1日のストリキニーネ摂取量が18 mgを超えない範囲)で最大30日間使用した例があります。
- 注意: この用量でも安全性が確立されていないため、医療監督なしでの使用は危険です。
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末梢神経障害:
成分と作用機序
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主要成分:
- ストリキニーネ: 神経毒であり、グリシン受容体を競合的に阻害して筋肉の反射過剰興奮を引き起こします。
- ブルシン(Brucine): 抗炎症作用が報告されていますが、毒性もあります。
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作用機序:
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神経系への影響:
- ストリキニーネが中枢神経系で抑制性神経伝達物質であるグリシンの結合を阻害し、全身の筋肉を収縮させる痙攣を引き起こします。
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抗炎症作用:
- 動物モデルでは、ブルシンが炎症性メディエーターを抑制することが示されています。
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抗がん作用:
- ブルシンが肝がん細胞の増殖を抑制し、アポトーシス(細胞死)を誘導する可能性が報告されています。
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神経系への影響:
注意事項
ホミカの種子や製品は、強い毒性を持つストリキニーネを含むため、医療目的での使用でも危険性が高いです。自己判断での使用は厳禁です。医師や専門家の指導のもとでのみ使用を検討する必要があります。
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- タグ: サプリメント