マグネシウム(Magnesium)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Magnesium (Mg)、原子番号 12


概要

マグネシウムは、骨の健康を保つために重要な化学元素であり、多くの細胞反応において不可欠な役割を果たします。繊維質の多い食品には一般的にマグネシウムが多く含まれており、豆類、全粒穀物、野菜、種子、ナッツ(特にアーモンド)が主な供給源です。他にも乳製品、肉類、チョコレート、コーヒー、硬水などもマグネシウムを含んでいます。女性、アフリカ系アメリカ人、高齢者においてはマグネシウム摂取が不足しがちです。


安全性

おそらく安全:

  • 経口使用: 一般的に耐容上限摂取量 (UL) である1日350mg以下の摂取では安全。
  • 注射使用: 適切な場合、FDA承認の硫酸マグネシウム製品は安全。

おそらく安全でない:

  • 過剰摂取: 1日350mgを超える経口摂取は、下痢や軟便を引き起こすことがあります。

妊娠・授乳中:

  • 安全: 妊娠中および授乳中の経口摂取は、耐容上限摂取量 (UL) 以下であれば安全。
  • 可能性として安全: 出産前に硫酸マグネシウムを5日以内使用した場合。
  • 可能性として安全でない: 5日以上の使用は、新生児の骨異常(骨減少症、骨折)と関連しています。

副作用

一般的な副作用:

  • 経口: 下痢、胃腸の刺激、吐き気、嘔吐。
  • 注射: 徐脈、めまい、顔面紅潮、低血圧、局所の痛みや刺激。

重大な副作用(稀):

  • 反射消失、呼吸抑制、高用量使用時の意識混濁、心停止。

効果

効果が確実:

  • 腸の洗浄: 大腸検査前の腸洗浄用に使用。
  • 便秘: 短期的な経口摂取で便秘改善に効果的。
  • 制酸剤: 胃酸過多の改善に効果的。
  • 子癇: けいれん管理において第一選択薬。
  • 低マグネシウム血症: 経口または注射で治療可能。

可能性として効果的:

  • 糖尿病: マグネシウム不足が2型糖尿病のリスクを高める可能性がありますが、サプリメントの効果には賛否があります。
  • 骨粗鬆症: マグネシウム摂取が骨密度の増加に寄与する可能性。
  • 月経前症候群 (PMS): 経口摂取で症状軽減の可能性。

効果が不確実:

  • 筋痙攣: 頻度や重症度を改善する証拠は不十分。
  • 睡眠: マグネシウムが睡眠の質を改善する可能性がありますが、証拠は一貫していません。

投与量

  • 成人(経口摂取): 19~30歳の男性は400mg、女性は310mg。31歳以上は男性420mg、女性320mgが推奨される。
  • 小児: 推奨量は年齢により異なる。1~3歳は65mg、4~8歳は110mg、9~13歳は240mg。

相互作用

  • 薬物:

    • カルシウム拮抗薬: 相乗作用の可能性。
    • テトラサイクリン系抗生物質: 吸収を低下させる可能性。
    • PPI(プロトンポンプ阻害剤): 低マグネシウム血症を引き起こす可能性あり。
  • サプリメント:

    • カルシウム: 高用量のカルシウムがマグネシウム吸収を妨げる可能性。
    • ビタミンD: 一部の形態がマグネシウム吸収を促進。

過剰摂取と治療

症状:
渇き、低血圧、意識混濁、筋麻痺、反射消失、呼吸抑制、心停止。

治療:
血中マグネシウム濃度のモニタリングと適切な対症療法が推奨されます。


作用機序

  • 抗酸化作用: フリーラジカルの除去を促進。
  • 抗糖尿病作用: 血糖値やインスリン感受性の調整に関与。
  • 心血管作用: 血圧や心臓血管機能を改善する可能性。
  • 骨代謝: 骨の構造維持や骨密度向上に寄与。

マグネシウムは多くの生理機能において不可欠であり、不足はさまざまな健康リスクを伴う可能性があります。ただし、適切な投与量を超えると副作用や毒性のリスクが高まるため、摂取量には注意が必要です。


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