学名
- Picrorhiza kurroa
- Neopicrorhiza scrophulariiflora
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シノニム: Picrorhiza scrophulariiflora
科名
ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)
概要
ピクロリザはヒマラヤ山脈に自生する植物で、乱獲によってほぼ絶滅状態にあります。アーユルヴェーダ薬の成分として広く使用されています。
使用目的
経口で使用される場合、ピクロリザは以下の症状や病気に用いられます:
- 黄疸
- 急性ウイルス性肝炎
- 消化不良
- 便秘
- 発熱
- アレルギー
- 喘息
- その他:尋常性白斑、アトピー性皮膚炎(湿疹)、感染症、サソリ刺傷、慢性下痢、てんかん、マラリア、関節リウマチ
安全性
副作用
経口使用では以下の副作用が報告されています:
効果
効果がある可能性がある(POSSIBLY EFFECTIVE)
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尋常性白斑
経口および外用のメトキサレン療法と併用して1年間経口摂取すると、成人および小児の尋常性白斑治療に効果がある可能性があります。
効果がない可能性がある(POSSIBLY INEFFECTIVE)
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喘息
12週間の経口使用では、喘息症状の改善や肺機能の向上は見られませんでした。
評価が不十分な用途(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE TO RATE)
投与および使用法
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肝炎: ピクロリザ根粉末375 mgを1日3回経口摂取
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尋常性白斑: ピクロリザ根茎粉末200 mgを1日2回、メトキサレン療法と併用
相互作用
抗糖尿病薬
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相互作用評価: 中程度(注意が必要)
動物研究で、ピクロリザ抽出物が空腹時および非空腹時の血糖値を低下させることが示唆されています。このため、抗糖尿病薬と併用すると低血糖のリスクが高まる可能性があります。
免疫抑制剤
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相互作用評価: 中程度(注意が必要)
ピクロリザには免疫刺激作用があるため、免疫抑制療法の効果を妨げる可能性があります。
薬理作用
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抗喘息効果: 伝統的に喘息治療に使用されていますが、ヒト研究では否定的な結果が得られています。
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抗がん作用: 肝臓や皮膚のがんモデルで抗がん作用が確認されています。
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抗炎症作用: アポシニン成分が抗炎症活性を示し、動物研究では抗関節炎作用も示されています。
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肝保護作用: ピクロシド成分が肝障害を防ぐ可能性があります。
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創傷治癒促進: 血管内皮増殖因子(VEGF)やインスリン様成長因子(IGF)の発現を上げ、傷の治癒を促進します。
まとめ
ピクロリザは伝統医療で広く使用されていますが、効果や安全性に関する科学的エビデンスは限定的です。特に、免疫抑制剤や抗糖尿病薬との相互作用には注意が必要です。使用を検討する際は、医師または専門家に相談してください。