クアッシア(Quassia)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Quassia amaraPicrasma excelsa

科名
ニガキ科(Simaroubaceae)


概要

クアッシアは南アメリカ原産の小型の木または低木で、インドでも栽培されています。カリブ海地域を中心に伝統医療で使用されています (99994,99995,99998)。


用途

経口

以下の症状や疾患に使用されます:

  • 糖尿病
  • 食欲不振
  • 消化不良
  • 便秘
  • 発熱
  • マラリア
  • 潰瘍
  • 回虫、線虫、蟯虫(ギョウチュウ)などの駆虫剤として
  • トニック(強壮剤)や下剤
  • うがい薬

外用

以下の用途で使用されます:

  • シラミ
  • 脂漏性皮膚炎
  • 酒さ(顔面紅斑)

直腸投与

線虫感染症の治療に使用されます。

その他の用途

製造業では、食品、飲料、トローチ、緩下剤の香料として使用されます。また、樹皮や木材は殺虫剤として利用されています。


安全性

  • 安全とされる場合

    • 食品に通常含まれる量での経口摂取は安全とされています。米国ではGRAS(一般に安全と認められる)に指定されています (4912)。
    • 外用で適切に使用される場合、安全性があるとされています(4%クアッシアジェルを1日2回、最大45日間使用)(99995)。
  • 可能性のある危険性

    • 医療用量での経口摂取は、場合によっては危険です。クアッシア木材には心臓活性配糖体が含まれ、大量摂取で吐き気などの影響が出る可能性があります (4)。
    • 妊娠・授乳中の経口摂取は安全ではないと考えられ、避けるべきです。クアッシアには細胞毒性や催吐作用があります (4,18,19)。

副作用

  • 経口摂取
    • 粘膜の刺激、吐き気、嘔吐を引き起こす可能性があります。長期使用では視覚障害や失明の報告もあります (18)。
  • 外用
    • 一般的に良好に耐えられ、副作用の報告はありません (99995)。

効果

効果がある可能性のある用途

  • シラミ
    • 初期の臨床研究では、クアッシアチンキを1回塗布することで頭ジラミを駆除できるとされています。ただし、1週間後に0.6%の再感染率が報告されています。2回の塗布(1週間間隔)でより効果的になる可能性が示唆されています (17492)。
  • 酒さ
    • クアッシア4%ジェルを1日2回、45日間塗布した臨床研究では、紅潮、赤み、毛細血管拡張がそれぞれ74%、56%、50%改善したと報告されています (99995)。
  • 脂漏性皮膚炎
    • クアッシア4%ジェルを1日2回、28日間使用した研究では、29.4%の患者で完全寛解が見られました。これは、1%シクロピロックスオラミンや2%ケトコナゾールと比較して高い反応率を示しています (99994)。

用量と使用方法

  • 外用
    • 酒さ:クアッシア4%ジェルを1日2回、45日間塗布 (99995)。
    • 脂漏性皮膚炎:クアッシア4%ジェルを1日2回、28日間塗布 (99994)。

相互作用

薬物との相互作用

  1. 制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬(PPI)
    • クアッシアが胃酸分泌を増加させる可能性があるため、これらの薬の効果が減少する可能性があります (19)。
  2. 糖尿病治療薬
    • 動物実験でクアッシアエキスが空腹時血糖値を低下させることが示唆されています。糖尿病治療薬と併用する場合、低血糖のリスクがあるため注意が必要です (99998)。
  3. 強心配糖体(ジゴキシンなど)
    • 心毒性のリスクが増加する可能性があるため、注意が必要です (4)。
  4. 利尿薬
    • クアッシアの過剰摂取が、利尿薬によるカリウム喪失を悪化させる可能性があります (13)。

作用機序

  • クアッシアの有効部分は木材および葉です。
  • 主成分であるクアッシノイド(quassinoids)は、抗マラリア作用、抗潰瘍作用、消化促進作用を持つとされています。

まとめ

クアッシアは、シラミや酒さ、脂漏性皮膚炎の治療に効果がある可能性が示唆されています。ただし、経口摂取に関しては安全性や有効性に注意が必要であり、妊娠・授乳中の使用は避けるべきです。使用前に医療専門家に相談することをお勧めします

References

See Monograph References


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