ピルビン酸(Pyruvate)

投稿者 :リンクプロ on

学名
2-Oxopropanoate(ピルビン酸)、2-oxopropanoic acid(ピルビン酸)


概要

ピルビン酸は、3つの炭素を持つ有機酸(α-ケトカルボン酸)です。これは、グルコースをピルビン酸に変換する代謝プロセスである**解糖系(Glycolysis)**の過程で体内で生成されます (108892,108893)。


安全性

  • 比較的安全と考えられる場合

    • 経口:適切な方法で短期間使用する場合。1日あたり6~40グラム(分割投与)で最大6週間使用された例があります (2472,2474,13658,13660,13661,70255,70259,92512)。
    • 外用:50%までのピルビン酸を含む皮膚ピーリング製剤を医療専門家が適切に適用する場合は安全とされています (12020,70285,108892)。
    • 吸入:推奨される用量で6週間まで吸入した場合 (70278)。
  • 妊娠および授乳中

    • 十分な信頼できる情報がないため、使用を避けることが推奨されます。

副作用

  • 一般的な耐容性

    • 経口および外用で良好に耐えられることが多いです。
  • 主な副作用

    • 経口:膨満感、下痢、ガス発生。
    • 外用:高濃度では皮膚の焼けるような感覚。

効果

  • ある程度効果が期待できる場合

    • ニキビ:外用のピルビン酸皮膚ピーリング剤が、一部の患者でニキビの重症度を改善する可能性があります。
    • 肥満:経口のピルビン酸は、食事や運動と併用することで、軽度の体重減少効果を示す可能性があります。
  • 十分なエビデンスがない場合

    • アルコール性肝疾患:静脈内のピルビン酸ナトリウムが有効であるかは不明です。経口のピルビン酸は評価されていません。
    • 運動能力の向上:研究結果は混在していますが、経口ピルビン酸単独では運動能力を向上させる効果はほとんど見られないとされています。
    • 萎縮性ニキビ跡:外用ピルビン酸ピーリングが萎縮性ニキビ跡に有効かどうかは不明です。小規模な研究では効果がある可能性が示されていますが、長期的な追跡調査が必要です。
    • 白内障:経口ピルビン酸が白内障に有効であるかは十分に評価されていません。
    • 慢性閉塞性肺疾患(COPD):吸入ピルビン酸ナトリウムが有効かどうかは不明です。
    • うろこ状皮膚症(魚鱗癬):外用ピルビン酸が有効かは不明です。
    • しわ:外用ピルビン酸ピーリングがしわに効果があるかどうかは不明です。

用量と使用方法

  • 成人
    • 経口:6~40グラムを分割して1日投与、最大6週間。
    • 外用:皮膚ピーリングやクリームなどさまざまな製剤が使用されます。
    • 吸入:研究が限られており、標準的な用量はありません。
    • 静脈/筋肉注射:病状に応じて医療専門家が指示する用量。

薬物・サプリメントとの相互作用

  • 知られている相互作用はありません。

作用機序

  • ピルビン酸は解糖系によって生成される3炭素有機酸であり、エネルギー生成に重要な役割を果たします。解糖系では、グルコースがピルビン酸に変換され、この過程でATPやNADHが生成されます。
  • 抗炎症作用:試験管内研究では、エチルピルビン酸およびピルビン酸ナトリウムが炎症性サイトカインから保護する効果が示されています。
  • 抗腫瘍作用:動物研究では、ピルビン酸を補充した液状食が腫瘍の成長を抑制する可能性が示唆されています。
  • 心臓保護作用:ピルビン酸が心筋の収縮力を増加させ、酸化ストレスを軽減する効果があることが示されています。

まとめ

ピルビン酸は、エネルギー代謝や抗炎症作用などの潜在的な効果がありますが、多くの用途についてはさらなる研究が必要です。安全性は比較的高いとされていますが、特に高濃度の外用や長期使用の場合は慎重に扱う必要があります。

References

See Monograph References


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