リギラクトバチルス・サリバリウス(Ligilactobacillus salivarius)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Ligilactobacillus salivarius

科名

(該当なし)


注意事項

リギラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius)は、他のプロバイオティクスや、発酵乳、ケフィア、ヨーグルトなどの生きた微生物を含む可能性のある発酵食品と混同しないよう注意してください。


概要

リギラクトバチルス・サリバリウスは、乳酸を生成するグラム陽性の桿菌であり、嫌気性細菌の一種です。これは人間の体内に自然に存在しており、特定の株がプロバイオティクスとしてサプリメントや機能性食品に使用されています。プロバイオティクスは、食品や食品成分として摂取される生きた微生物であり、健康効果が確認されています。


警告

  • 分類変更について
    2020年4月、Lactobacillus 属は25の新しい属に再分類されました。L. salivariusは、以前はLactobacillus属に分類されていましたが、現在はLigilactobacillus属に分類されています。ただし、製品ラベルでは依然としてLactobacillus salivariusと表示されている場合があります。

  • 壊死性腸炎(NEC)
    一部の経口プロバイオティクス(特に多株製品)は、低出生体重児における壊死性腸炎の予防に有用とされていますが、L. salivariusがこの目的で有益であるという証拠はありません。また、米国食品医薬品局(FDA)は、非常に早産児や出生体重が1000グラム未満の乳児で、プロバイオティクスに含まれる細菌や真菌による重篤な感染症のリスクがあると警告しています。米国小児科学会(AAP)も、安全性と有効性に関するデータの矛盾やリスクのため、この集団へのプロバイオティクスのルーチン投与を支持していません。


安全性

  • おそらく安全

    • 経口で適切に使用した場合、Ligilactobacillus salivariusは最大16週間の研究で安全性が確認されています。
    • 妊娠期間中(妊娠糖尿病の診断後または妊娠30週目以降から出産まで)の使用でも安全性が報告されています。
  • 乳児および子供

    • 経口で適切に使用した場合、ほとんどの年齢の子供で安全に使用できるとされています。ただし、出生体重1000グラム未満の未熟児における安全性についての信頼できる情報は不足しています。
  • 授乳中

    • 授乳中の使用に関する信頼できる情報は不足していますが、適切に使用する限り安全性への懸念はないと考えられています。

副作用

  • 一般的な副作用

    • 経口摂取時、通常は良好に耐容されます。
  • まれな重篤な副作用

    • 一部の人では感染症を引き起こす可能性があります。

有効性

以下の条件に対するLigilactobacillus salivariusの効果については、十分な信頼できる証拠がありません:

  • 抗生物質関連下痢
  • 喘息
  • アトピー性皮膚炎(湿疹)
  • 細菌性膣炎
  • 虫歯予防
  • 妊娠糖尿病
  • 運動誘発性呼吸器感染症
  • 口臭
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 乳腺炎の予防・治療
  • 中耳炎の予防
  • 歯周病
  • 妊娠中の吐き気や嘔吐
  • 潰瘍性大腸炎

さらなる研究が必要です。


用法・用量

大人

  • 経口:1~2億CFU(コロニー形成単位)を1日1回、最大16週間使用されたことがあります。
  • 膣:タブレットとして使用される場合があります。

子供

  • 用量は研究によって異なります。

薬物との相互作用

  • 抗生物質
    • 経口抗生物質と同時に使用すると、L. salivariusの有効性が低下する可能性があります。

吸収と代謝

  • 吸収:Ligilactobacillus salivariusは、経口摂取後、腸管で吸収されず、大腸に定着する可能性があります。

作用機序

  • 一般:L. salivariusは、腸内環境を整える「善玉菌」として機能し、体内の特定の部位を再コロニー化する目的で使用されます。
  • 抗生物質関連副作用の予防:プロバイオティクスが腸管や泌尿生殖器の粘膜に定着することで、病原性細菌の付着を防ぐと考えられています。
  • 抗酸化作用:一部の研究で脂質過酸化を減少させる効果が報告されています。
  • 免疫調節効果:リンパ球やマクロファージの活性化、炎症性サイトカインの調整、抗体の合成促進が示唆されています。
  • 口腔内健康:唾液や歯垢中の病原性細菌を減少させる可能性があります。

分類

  • プロバイオティクス

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