学名:
Lophophora williamsii
科名:
サボテン科 (Cactaceae)
概要
ペヨーテは、メキシコ中央部やテキサスの乾燥地域に自生する小型でトゲのないサボテンです。サボテンの冠部分(通称「ボタン」)は、主に儀式や幻覚剤として利用されています。ペヨーテにはメスカリンという精神活性物質が含まれており、これがその効果の主因となります。アメリカではペヨーテは規制物質法に基づくスケジュールIに分類されていますが、ネイティブアメリカン教会による宗教儀式での使用はこの規制の対象外となっています。
伝統的な使用法
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経口使用:
- 発熱、リウマチ、麻痺の治療。
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外用:
- 骨折、傷、蛇に噛まれた際の処置。
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娯楽目的:
- 儀式や娯楽として幻覚作用を得るために摂取。
安全性
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経口使用:
- 危険: ペヨーテは宗教以外の目的での使用が違法であり、精神病や稀に死に至る危険性があります。
- 高用量のメスカリンは、高血圧、徐脈、呼吸抑制、そして死を引き起こすことがあります。
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外用:
- 安全性に関する信頼できる情報は不足しています。
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妊娠・授乳中:
- 危険: メスカリンは催奇形性の可能性があるため、使用は避けるべきです。
副作用
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消化器系:
- 摂取後30~60分以内に、吐き気、嘔吐、下痢が生じることがあります。
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神経系:
- 瞳孔拡大、震え、発汗、摂取後約1時間以内に幻覚が現れることがあります。
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心血管系:
- 軽度の頻脈や高血圧が生じる可能性がありますが、高用量では徐脈も起こる可能性があります。
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精神面:
- 不安、被害妄想、感情の不安定、恐怖感、さらには自己傷害や事故の危険性があります。
有効性
ペヨーテがいかなる治療目的にも有効であるという信頼できる証拠はありません。
使用量と投与法
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成人:
- 高いリスクがあるため、安全な用量は確立されていません。
相互作用
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薬物との相互作用:
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刺激薬:
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重大な相互作用:
- ペヨーテと刺激薬を併用すると、中枢神経系(CNS)への重大な副作用のリスクが増加します。例として、ニコチン、コカイン、アンフェタミンなどが挙げられます。
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重大な相互作用:
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刺激薬:
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サプリメントとの相互作用:
- 知られている相互作用はありません。
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疾患との相互作用:
- 手術: ペヨーテは麻酔薬やその他の手術中に使用される薬剤と相互作用する可能性があります。
薬物動態
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分布:
- ペヨーテに含まれるメスカリンは摂取後、肝臓で最も高濃度で検出されます。
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効果の持続時間:
- メスカリンによる幻覚作用は、経口摂取後約12時間持続します。
作用機序
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有効部位:
- サボテンの冠部分の「ボタン」。
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主要成分:
- メスカリンは幻覚作用を持つ物質で、脳内のセロトニン受容体に作用し、知覚の変化や幻覚を引き起こします。
- メスカリンの効果はLSDに似ていますが、作用はLSDほど強力ではありません。
分類
- 免疫調節剤
- 免疫刺激剤
- 認知刺激剤