セイヨウキヅタ (English Ivy)

投稿者 :リンクプロ on

学名

  • Hedera helix(シノニム: Hedera taurica)

  • ウコギ科 (Araliaceae)

概要

English Ivy(セイヨウキヅタ)は、ヨーロッパや南西アジアを原産とする常緑性の木本植物で、アメリカでは景観用の地被植物として使われますが、侵略的な雑草として扱われることもあります。
医療用途では、主に抽出物の形で使用され、ハーブティーとして用いられることは少ないです。伝統的には、去痰薬や抗炎症剤として利用されてきました。


安全性

  • 経口使用:
    セイヨウキヅタの葉抽出物(Prospan, Prospanex)を7 mg/mLの濃度で1回7.5 mLを1日3回、7日間使用した場合に、安全性が確認されています。
  • 外用使用:
    安全性に関する十分な信頼できる情報がありません。
  • 妊娠中:
    安全性が十分に確認されていないため、使用を避けてください。
  • 授乳中:
    情報が不足しているため、使用を避けてください。

副作用

  • 一般的な副作用:
    経口使用および外用使用では、通常は良好に耐容されますが、以下の副作用が報告されています。
    • 経口: 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、皮膚刺激
    • 外用: アレルギー反応、接触性皮膚炎

効果

セイヨウキヅタの効果に関する信頼できる十分な証拠はありません。

慢性および急性気管支炎 (Bronchitis):

  • セイヨウキヅタ葉抽出物の経口使用が有益かどうかは不明です。

:

  • セイヨウキヅタは、他の成分との組み合わせで評価されており、単独での効果は不明です。

作用メカニズム

有効成分

  • に含まれる成分:ヘデラサポニンC、α-ヘデリン、ヘデラコシドC、ヘデラゲニン。
    アレルゲンとして、ファルカリノールおよびジデヒドロファルカリノールが確認されています。

抗炎症作用

  • ラットの関節炎モデルでは、セイヨウキヅタ葉抽出物(100-200 mg/kg)が炎症性メディエーター(NO、血管内皮増殖因子)や関節リウマチバイオマーカーを減少させ、抗炎症性サイトカイン(IL-10、IL-13)を増加させることが示されています。

抗糖尿病作用

  • 試験管内研究では、セイヨウキヅタ葉抽出物がアルファグルコシダーゼ活性を阻害します。
    ラットの糖尿病モデルでは、セイヨウキヅタ葉抽出物(500-600 mg/kg、60日間経口投与)が空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1cを減少させることが示されています。ただし、人間での有効性については不明です。

抗酸化作用

  • α-ヘデリンやヘデラサポニンCなどの成分が、トコフェロールや合成抗酸化剤(BHA、BHT)と同等の抗酸化活性を示します。

呼吸器作用

  • マウスの喘息モデルでは、セイヨウキヅタが杯細胞の数や基底膜の厚さを減少させ、デキサメタゾンと同程度の効果を発揮しました。

使用方法と用量

成人

  • 経口:
    乾燥したセイヨウキヅタの葉を300-800 mg/日で使用する伝統的な方法があります。具体的な抽出物製品については、条件に応じた使用方法を確認してください。
  • 外用:
    研究が限られているため、標準的な用量は確立されていません。

相互作用

  • 薬物との相互作用:
    • CYP2C19、CYP2C8、CYP2D6基質薬との組み合わせに注意。セイヨウキヅタがこれらの薬物のレベルを増加させる可能性があります。
  • サプリメントとの相互作用: 報告なし。
  • 疾患との相互作用: 報告なし。
  • 検査との相互作用: 報告なし。

過剰摂取

過剰摂取に関する信頼できる情報はありません。


注意点

セイヨウキヅタは伝統的に去痰薬や抗炎症剤として使用されてきましたが、その効果や安全性を支持する十分な科学的エビデンスはありません。使用を検討する際は、医療専門家に相談することをお勧めします。


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