ゴシュユ (Evodia)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Evodia rutaecarpaEvodia officinalis
科名
ミカン科 (Rutaceae)


概要

ゴシュユは中国や韓国を原産とする落葉樹で、果実は伝統的な漢方薬として広く使用されています。果実は芳香があり、辛味と苦味があります (15222,15223)。伝統的には、寄生虫駆除、消化器系疾患、心血管疾患に用いられてきました。


安全性

「信頼できる十分な情報がない」 ...経口使用時の安全性に関する情報は不足しています。動物実験では、QT間隔延長やトルサード・ド・ポアン(心室性不整脈)を引き起こすことが報告されています (97035)。これが人間にも同様の影響を及ぼすかどうか、またどの用量で起こるかは不明です。

妊娠中: 「おそらく危険」 ...経口使用時。動物実験では子宮刺激作用が確認されており、妊娠中の使用は妊娠に悪影響を及ぼす可能性があります (15229)。

授乳中: 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。


副作用

一般的な副作用

  • 信頼できる臨床試験による安全性データはありません。
  • 動物研究ではQT間隔延長やトルサード・ド・ポアンが確認されています (97035)。

効果の有効性

「信頼できる十分な情報がない」 ...ゴシュユの有効性に関する臨床データは不足しています。


用法・用量

  • 成人: 研究が限られており、標準的な用量情報はありません。

相互作用

  • 抗凝固薬/抗血小板薬: ゴシュユは血小板凝集を抑制し、出血リスクを高める可能性があります。
  • QT間隔延長薬: ゴシュユはQT間隔延長を引き起こす可能性があり、これらの薬剤と併用するとリスクが増加する可能性があります。
  • シトクロムP450酵素: ゴシュユはCYP1A2、CYP3A4、CYP2E1の基質や阻害剤に影響を与える可能性があります。

作用機序

ゴシュユの使用部位は果実および根皮です。以下のような活性成分が含まれています:

  • 主成分:
    • キノリンアルカロイド(エボジアミン、デヒドロエボジアミンなど)
    • キナゾリンアルカロイド(ルテカルピン)
    • その他(リモニン、エボジン、エボドル)

薬理作用

  • 鎮痛および抗炎症作用: エボジアミンとリモニンは動物モデルで鎮痛および抗炎症効果を示しています。
  • 抗菌作用: ゴシュユのキノリンアルカロイドはピロリ菌(H. pylori)に対して抗菌効果を持ちます。
  • 抗がん作用: エボジアミンは細胞増殖を抑制し、一部のがん細胞でアポトーシス(細胞死)を誘導します。
  • 心血管作用: ゴシュユ果実の成分は血管拡張作用や心筋保護作用を持つとされています。
  • 消化器系作用: エボジアミンは胃の排出を抑制し、下痢を軽減する効果があります。

注意点

  • ゴシュユは心臓や血圧に影響を与える可能性があるため、特に心血管疾患のある人やQT延長症候群の人は使用に注意が必要です。
  • 妊娠中や授乳中は避けてください。
  • 他の薬剤との相互作用の可能性があるため、医師に相談の上使用してください。

References

See Monograph References


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