グリシン(Glycine)

投稿者 :リンクプロ on

学名

アミノ酢酸(Aminoacetic Acid)


概要

グリシンはアミノ酸の一種で、非必須アミノ酸に分類されます。これは、体内でセリンから合成されるためです。通常の食事では1日に約2gのグリシンを摂取します。主な供給源は、肉、魚、乳製品、豆類などのタンパク質を豊富に含む食品です。


安全性

おそらく安全

  • 経口使用: 適切な使用で安全とされています。最大6g/日を4週間、または9g/日を3日間使用した臨床試験で安全性が確認されています。

信頼できる十分な情報がないもの

  • 外用: 安全性について十分な情報がありません。

妊娠・授乳中

信頼できる十分な情報がないため、使用を避けるべきです。


副作用

  • 一般的な副作用: 経口および外用で使用した場合、グリシンは一般的に良好に耐えられます。

効果

効果がある可能性がある

  • 統合失調症: 経口摂取により、抗精神病薬治療に耐性を示す患者で陰性症状の改善が期待されます。ただし、クロザピン(Clozapine)との併用では追加の効果が見られません。

証拠が不十分な条件

  • 3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素(3-PGDH)欠損症: 有効性は不明。
  • 加齢: 他の成分との併用でのみ評価されており、単独での効果は不明。
  • 注意欠陥・多動性障害(ADHD)、良性前立腺肥大症(BPH)、認知機能、嚢胞性線維症、不眠症、メタボリック症候群、肥満、過活動膀胱、体力、脳卒中、静脈性潰瘍など。さらなる研究が必要です。

投与と使用方法

成人

  • 経口: 一般的に1日3g、または0.2~0.8g/kg/日を最大24週間使用することが多いです。高用量の場合は1日2回に分けて摂取されます。

舌下投与および外用

  • 研究が限られており、標準的な用量は不明です。

相互作用

  • クロザピン(Clozaril): クロザピンの効果を低下させる可能性があります。注意が必要です。

薬物動態

  • 吸収: 経口摂取後、グリシンは血中で約40分後に最大濃度に達します。
  • 分布: グリシン濃度は脳内で比較的安定していますが、サプリメントを追加すると中枢神経系(CNS)内の濃度が増加します。
  • 排泄: 摂取後数時間以内に排泄されます。

作用機序

  • 一般的な役割: グリシンは非必須アミノ酸で、体内でセリンから合成されます。通常の食事で1日約2g摂取されます。
  • 抗がん作用: 研究では、特定のがんの成長を抑制する可能性が示唆されています。
  • 抗酸化作用: 酸化ストレスの指標(脂質過酸化など)を改善する可能性があります。
  • 心保護作用: 抗酸化作用により、化学療法による心毒性を軽減する可能性があります。
  • 中枢神経系(CNS)作用: NMDA受容体のアゴニストとして作用し、統合失調症の症状や記憶、学習プロセスに関与します。
  • 腎保護作用: シクロスポリンによる腎障害を軽減する可能性があります。
  • 肝保護作用: アルコール性肝障害の回復を助ける可能性があります。

分類

  • アミノ酸
  • 血管拡張剤

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