クズ (Kudzu)
投稿者 :リンクプロ on
学名
Pueraria montana var. lobata(シノニム:Pueraria lobata, Pueraria thunbergiana)
科名
マメ科 (Fabaceae/Leguminosae)
注意事項
クズは「Japanese arrowroot(日本の葛)」とも呼ばれることがありますが、アロールート(Arrowroot)、アラム(Portland arrowroot)、キャッサバ(Brazilian arrowroot)、ワフー(Wahoo)、ゼドアリ(Indian arrowroot)とは異なります。
概要
クズは多年生のつる植物で、錆びた茶色の毛に覆われた茎、大きな塊状の根、甘い香りが特徴です (57954, 92261, 92262)。タイ、中国、インドを含むアジアが原産で (92254, 92261, 92263)、現在ではアメリカでも侵入植物として知られています (13085)。伝統的に、クズは耳鳴り、消化器系疾患、発熱、麻疹、更年期症状、筋肉や関節の痛みなどの治療に用いられてきました (110702)。
警告
クズの成分であるプエラリンは静脈注射用としても利用されますが、本トピックでは経口または局所使用に限定されています。
安全性
- おそらく安全: クズは適切に経口摂取された場合、安全とされています。4ヶ月間の使用が安全と評価されています (10386, 11386, 92257)。
- 経膣使用: クズ5%または6%含有ジェルが最大12週間安全に使用されています (96740, 105521, 110702)。
- 妊娠・授乳中: 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
- 一般的な副作用: 経口または経膣使用時には、通常良好に耐えられるとされています。
- 稀な重篤な副作用: 肝酵素(肝トランスアミナーゼ)の上昇が報告されています。
有効性
-
おそらく有効:
- アルコール依存症: 経口クズは、飲酒量を減少させる可能性があります。ただし、慢性的なアルコール依存症には効果がないかもしれません。
-
十分な証拠がないもの:
- アレルギー性鼻炎、狭心症、糖尿病、肥満、更年期症状、偏頭痛、脳卒中など。
- 更年期症状: 小規模な臨床研究では、更年期症状を軽減する可能性が示されています。
投与と管理
- 経口: クズエキスや粉末が研究で用いられていますが、標準的な用量は不明です。
- 経膣: クズ5%~6%ジェルを0.5グラム、夜間に3週間使用。その後、9~10週間は週3回の使用が推奨されています。
標準化と製剤
クズのエキスは、イソフラボン成分に基づいて標準化されています。例として、特定のクズ根エキス(Alkontrol-Herbal)は、プエラリン19%、ダイジン4%、ダイゼイン2%を含みます。
薬物相互作用
- 抗凝固薬: 出血リスクを高める可能性があるため注意が必要です。
- 糖尿病薬: 低血糖リスクを増加させる可能性があります。
- エストロゲン: ホルモン療法の効果に影響を与える可能性があります。
- 肝毒性薬: 肝毒性のリスクが増加する可能性があります。
作用機序
クズにはイソフラボン成分(ダイジン、ダイゼイン、プエラリンなど)が含まれており、以下の作用が注目されています。
- アルコール効果: クズはアルコール摂取量を抑制し、血中アルコール濃度を低下させる可能性があります。
- 抗炎症作用: 炎症性サイトカインの生成を抑制する可能性があります。
- 抗酸化作用: 酸化ストレスを軽減する効果があるとされています。
- 骨への効果: 骨密度の向上をサポートする可能性があります。
- 心血管系: 心筋虚血や血圧低下への保護効果が期待されています。
- エストロゲン作用: フィトエストロゲンの効果により、更年期や閉経後症状を緩和する可能性があります。
分類
- 抗血小板剤
- 肝毒性剤
- 低血糖作用剤
- 血管拡張剤
- ジェニステイン含有天然成分
References
See Monograph References
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