オレアンダー (Oleander)

投稿者 :リンクプロ on

概要

オレアンダーは、主に温帯および亜熱帯地域で見られる花木であり、毒性のある心臓配糖体を含んでいます。オレアンダーを摂取したことで、意図的または偶発的な死亡事例が報告されています(2532,3495,65407,65419,65422,65433,65437)。

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19):
    オレアンダーエキスはCOVID-19治療に使用できると宣伝されていますが、この使用法を支持する証拠はありません。

安全性

  • おそらく安全でない:
    オレアンダーの葉、葉のお茶、種子を摂取すると、致命的または非致命的な中毒を引き起こすことがあります(9,3495,65395,65407,65409,65410,65420,65422,65436,65437)。安全な摂取量は特定されておらず、わずか2粒の種子でも致命的な中毒を引き起こす可能性があります(106426)。

  • 妊娠および授乳中:
    妊娠中のオレアンダー摂取は流産を引き起こす可能性があり(5000)、胎児毒性の報告もあります(65425)。妊娠および授乳中の局所使用について信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。


副作用

  • 一般的な副作用:
    オレアンダーは経口摂取、局所適用のいずれでも重大な毒性を引き起こす可能性があります。

    • 経口摂取: 腹痛、苦い味、下痢、頭痛、粘膜刺激、吐き気、唾液分泌増加、ぼんやり感、嘔吐など。
    • 局所適用: 接触性皮膚炎。
  • 重大な副作用(まれ):
    心不整脈、心停止、心血管崩壊、死亡、高クロール血症、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、瞳孔散大、末梢神経炎、視覚障害。


効果

  • 十分な証拠がない:
    オレアンダーは以下の条件での使用が期待されていますが、臨床効果に関する信頼できる情報が不足しています:
    • 流産
    • 喘息
    • 心不全
    • 月経困難症
    • てんかん
    • マラリア
    • 白癬
    • 疣贅(いぼ)

用法と投与量

  • 成人:
    研究が限られており、標準的な投与量は不明です。

相互作用

  • 薬物との相互作用:

    • 重大な相互作用:
      • ジゴキシン (Lanoxin): オレアンダーの同時使用により毒性のリスクが高まります。併用を避けてください。
      • 利尿薬、マクロライド系抗生物質、キニーネ、刺激性下剤、テトラサイクリン系抗生物質: これらの薬剤とオレアンダーの併用は毒性を増加させる可能性があります。
  • サプリメントとの相互作用:

    • カルシウム: 心臓配糖体の効果を増加させる可能性があります。
    • 心臓配糖体を含むハーブ: 毒性リスクが増加します。
    • ホーステール、甘草、刺激性下剤を含むハーブ: 毒性のリスクが高まる可能性があります。

過剰摂取

  • 症状:
    オレアンダー中毒はジゴキシン中毒と類似しており、主な症状は吐き気、嘔吐、心毒性(伝導遅延、徐脈、心停止)などです(17,103238,103239)。高カリウム血症や死亡が報告されています。

  • 治療:
    胃洗浄、活性炭の投与、心不整脈の薬理学的管理が行われます。また、抗ジゴキシンFabフラグメントを用いた治療が有効で、多くの患者が8時間以内に正常な洞調律に回復します(17,2532,94431,106426)。


作用機序

  • 一般:
    オレアンダーのすべての部位に心臓配糖体が含まれています。主成分であるオレアンドリンやネリオサイドは、ナトリウムポンプを阻害し、細胞内ナトリウム・カルシウム濃度を上昇させ、心機能に影響を与えます(3477,5000)。

  • 抗癌作用:
    特定のオレアンダー抽出物(Anvirzel)は、がん細胞の増殖を抑制する性質を持つとされています(65397,65399,65402)。

  • 抗菌作用:
    成分には殺虫作用、寄生虫駆除作用、駆虫作用があると報告されています(5000,6002)。

  • 心臓作用:
    配糖体の毒性量では、重度の毒性(徐脈、心ブロック)を引き起こす可能性があります。


注意事項

オレアンダーは非常に毒性が強く、少量の摂取でも致命的な結果を招く可能性があるため、使用は避けるべきです。特に自己治療やサプリメントとしての使用には細心の注意が必要です。

References

See Monograph References


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