エフェドラ (Ephedra)

投稿者 :リンクプロ on

  • Ephedra distachya、別名 Ephedra vulgaris
  • Ephedra equisetina、別名 Ephedra sinica

  • エフェドラ科 (Ephedraceae)

概要

エフェドラは、伝統的に中国医学で使用される興奮作用を持つハーブで、主に茎や枝から抽出されます。エフェドリンアルカロイドを含む多くのエフェドラ種は、その治療効果と毒性の原因となります。一部のエフェドラ種(例: モルモンティー)はアルカロイドを含まず、これらとは区別されます。

主な用途

  • 伝統的な使用: アレルギー症状、喘息、関節炎、頭痛、浮腫、風邪やインフルエンザの症状、腎炎、骨痛などの改善。

安全性

警告

  • エフェドラは、米国では2004年以降、禁止されています。
  • 国際オリンピック委員会、NCAA(全米大学体育協会)、NFL(全米フットボールリーグ)でも使用禁止。
  • 一部の製品ではカフェインや他の興奮剤と組み合わせて販売されており、毒性リスクがさらに高まります。

危険性

  • 経口使用:
    • 非常に危険: 高血圧、心筋梗塞、発作、脳卒中、精神病など重篤な副作用の事例が多く報告されています。
    • 少量使用(20-60 mg/日)でも短期間で重篤な有害事象が発生する場合があります。
  • 子供・妊娠中・授乳中:
    • 安全性が確立されておらず、使用は推奨されません。

副作用

一般的な副作用

  • 経口使用: 食欲減退、不安感、集中力の低下、排尿困難、めまい、動悸、不眠、吐き気など。

重大な副作用(稀だが重篤)

  • 心停止、心筋梗塞、心不全、肝障害、発作、脳卒中、突然死など。

効果

可能性のある効果

  • 肥満治療:
    • 体重減少を助ける可能性があり、月0.9 kgの減少が観察されています(最大6か月間)。
    • しかし、長期的な効果は不明で、重大な副作用リスクが伴います。

効果がない可能性

  • 運動パフォーマンス:
    • 運動能力向上には効果がないとされています。

作用メカニズム

主成分

  • エフェドリン、プソイドエフェドリン、ノルエフェドリン、メチルエフェドリンなどのアルカロイド。
  • タンニンやその他の植物成分。

効果の仕組み

  • 中枢神経刺激作用: エフェドリンとプソイドエフェドリンが交感神経系を直接的・間接的に刺激し、興奮効果を引き起こします。
  • 心血管系への影響: 血圧、心拍数、心筋収縮力を増加させ、末梢血管を収縮させます。
  • 呼吸器系への影響: 気管支拡張作用があり、喘息や咳の症状を緩和する可能性があります。

用量と使用法

成人

  • 経口: 過去の使用例では、エフェドラアルカロイド15-40 mgを1日最大3回まで、最大6か月間使用されています。
  • 注意: 使用は米国で禁止されており、安全性と有効性は保証されません。

薬物相互作用

  • 併用禁忌: メチルキサンチン、QT延長薬、興奮剤。
  • 注意が必要: 抗糖尿病薬、抗てんかん薬、肝毒性薬物など。

注意点

エフェドラの使用は重大な健康リスクを伴うため、ほとんどの国で医療目的を含む利用が制限されています。興奮剤やカフェインを含む製品と組み合わせるとさらに危険性が高まるため、使用は避けるべきです。


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