ラクティプランティバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)

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学名

Lactiplantibacillus plantarum


概要 (Overview)

Lactiplantibacillus plantarum(L. plantarum)は乳酸を生成するグラム陽性、棒状、嫌気性細菌です。ヒトの口腔や消化管、また多様な発酵食品に見られます。特定の株がサプリメントや機能性食品にプロバイオティクスとして利用されています。プロバイオティクスは、食品または食品成分として摂取される生きた微生物で、健康効果が確認されています (90605,101513,107530)。


警告 (Warnings)

  • 分類変更
    2020年4月、Lactobacillus属は25の異なる属に再分類され、L. plantarumはLactiplantibacillus属に分類されました。ただし、一部の製品ラベルではLactobacillus plantarumと記載されている場合があります。

  • 壊死性腸炎(NEC)
    低出生体重児におけるNEC予防のためのプロバイオティクスの使用が検討されていますが、L. plantarumの効果を示す特定の証拠はありません。


安全性 (Safety)

  • 成人
    生菌および加熱処理済み(非生菌)のL. plantarumは、適切に使用すれば安全であるとされています。研究では、生菌を最大9ヶ月間、非生菌を最大12ヶ月間使用して安全性が確認されています。

  • 子ども
    L. plantarumは、ほとんどの年齢の子どもにおいて安全であると考えられています。7~15歳の子どもに4週間、新生児には7日間、5歳までの子どもには90日間の使用で安全性が確認されています。

  • 妊娠中・授乳中
    妊娠中の使用については、安全性が示唆されています。例えば、鉄分やビタミンCとともに妊娠10~12週目から出産まで使用された場合、安全性が確認されています。ただし、授乳中の使用に関する情報は限られています。


副作用 (Adverse Effects)

  • 一般的には、経口または膣内で使用しても良好に耐容されます。
  • 一般的な副作用: 軽度の消化器系の不調。
  • まれな重篤な副作用: 一部の人に感染症を引き起こす可能性が懸念されています。

効果 (Effectiveness)

効果がある可能性がある用途

  • アトピー性皮膚炎: 経口摂取が治療に有効とされる。
  • 風邪: 他のプロバイオティクスと併用することで、風邪の発症や重症化を軽減する可能性がある。
  • 高コレステロール血症: 血中コレステロール値を低下させる効果がある可能性がある。
  • 過敏性腸症候群(IBS): 単体または特定の組み合わせで有効とされる研究がある。
  • 呼吸器感染症: 予防効果がある可能性がある。
  • 潰瘍性大腸炎: 標準治療と併用することで寛解率を改善し、症状の再発を予防する可能性がある。

効果がない可能性がある用途

  • 抗生物質関連の下痢: L. plantarum単独ではリスクを軽減しない可能性がある。

信頼性が不十分な用途

  • 便秘: 単独での効果は不明。
  • 糖尿病: 組み合わせによる効果は検討されているが、単独での効果は不明。
  • 減量: 一部の研究で内臓脂肪に影響を与える可能性が示唆されているが、信頼性のあるデータは不足している。
  • ストレス: 精神的健康への影響についてはさらなる研究が必要。

用法・用量 (Dosing & Administration)

  • 成人
    一般的には、500万~200億CFU(コロニー形成単位)を1日量として最大3ヶ月間使用。

  • 子ども
    研究が限られており、一般的な用量についての情報は不足している。


作用機序 (Mechanism of Action)

  • 抗生物質治療の補助: 腸内細菌叢の正常化と病原菌の付着抑制に寄与する可能性。
  • 免疫調節: TGF-βやIL-10などのサイトカインの産生を通じて炎症を軽減し、アレルギー反応を抑える効果があると考えられている。
  • 神経学的効果: 腸-脳軸を介した認知機能への影響が注目されている。

相互作用 (Interactions)

薬物との相互作用

  • 抗生物質: L. plantarumの有効性が低下する可能性があるため、併用時には注意が必要。

まとめ (Summary)

Lactiplantibacillus plantarumは、消化器系や免疫機能の改善、さらに一部の疾患における補助療法として期待されています。ただし、その有効性については用途によってエビデンスの質が異なるため、使用する場合は医療専門家の指導のもとで行うことが推奨されます。

References

See Monograph References


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