ラベンダー(Lavender)

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学名

Lavandula angustifolia(別名: Lavandula officinalis, Lavandula vera)


概要

ラベンダーは地中海地域(フランス、スペイン、アンドラ、イタリア)原産の常緑多年草です。「ラベンダー」という名前はラテン語の動詞「lavare」(洗う)に由来します。入浴剤、香水、ポプリ、装飾品として人気のある成分です。


安全性

  • おそらく安全(LIKELY SAFE)
    食品に一般的に含まれる量を経口摂取する場合、安全と見なされています。米国では食品用途として「一般に安全と認められている(GRAS)」とされています。

  • おそらく安全(POSSIBLY SAFE)
    医薬品量で適切に使用される場合、または局所的および吸入療法として適切に使用される場合。

    • 特定の製品(例:Silexan, 80-160 mg/日)で最大10週間の安全性が確認されています。
    • ラベンダーエッセンシャルオイルを含むアロマセラピーが最大12週間、安全に使用された臨床研究があります。
  • 妊娠・授乳中
    信頼できるデータが不足していますが、初期研究では出産中に吸入しても有害な結果は報告されていません。ただし、高品質な安全性評価はまだ行われていません。

  • 子供
    おそらく安全(POSSIBLY SAFE): アロマセラピーでの使用が短期間で安全とされています。
    おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE): 男性の小児がラベンダーオイルを含む製品を局所的に使用すると、女性化乳房(男性の乳房が発達する症状)が報告されています。


副作用

  • 一般的な副作用

    • 経口摂取: 口臭、便秘、下痢、消化不良、げっぷ、頭痛、吐き気。
    • 局所使用: アレルギー性接触皮膚炎(ラベンダーオイル使用時)。
  • 重大な副作用(稀)

    • 局所使用: 女性化乳房(男性の小児での報告例)。

効果

可能性がある効果(POSSIBLY EFFECTIVE)

  1. 不安(Anxiety)
    ラベンダーオイルやアロマセラピーが一部の患者で不安を軽減する可能性があります。

  2. うつ病(Depression)
    ラベンダー茶や特定のオイル製品(Silexan)が一部の患者で抑うつ症状を改善する可能性があります。

  3. 月経痛(Dysmenorrhea)
    ラベンダーオイルのアロマセラピーが月経痛の症状を軽減する可能性があります。

評価が不十分な効果(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE TO RATE)

以下の症状や状態に関しては、十分な信頼できる証拠がありません:

  • 不眠症
  • 神経痛
  • 更年期症状
  • 術後痛
  • 出産時の痛み軽減
  • 疲労
  • 慢性皮膚疾患(湿疹、火傷など)
  • その他多数

用法・用量

  • 成人

    • 経口: 特定製品(Silexan)を80-160 mg/日、最大10週間使用。
    • 吸入(アロマセラピー): 精油を綿球やディフューザーで使用。
    • 局所: マッサージや入浴に使用。
  • 子供
    データが限られているため、推奨用量は不明。


薬物との相互作用

  • 中枢神経系抑制剤(CNS Depressants)
    ラベンダーが中枢神経系抑制剤の効果を強化する可能性があります。

作用機序

  • 鎮静効果:
    ラベンダーはリラックスと鎮静効果をもたらし、不安や不眠の症状を軽減します。これは神経伝達物質GABAの活性化に関連している可能性があります。

  • 抗菌・抗真菌効果:
    一部の細菌や真菌に対して抗菌活性が報告されています。

  • 抗炎症作用:
    動物モデルで抗炎症作用が確認されています。

  • 抗癌効果:
    ペリリルアルコールなどの成分が細胞アポトーシス(細胞死)を誘導する可能性があります。


分類

  • 鎮静・催眠剤
  • 抗不安薬
  • 抗炎症剤

References

See Monograph References


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