学名
Simmondsia chinensis(シノニム:Buxus chinensis, Simmondsia californica)
科名
シモンドシア科(Simmondsiaceae)
概要
ホホバは、アリゾナ、カリフォルニア、メキシコなどの砂漠地帯を原産とする低木で、乾燥したアフリカ諸国でも見られます。ホホバ種子に含まれるオイル(液体ワックス)は、炭素数36~46の非常に長い直鎖脂肪酸をワックスエステルの形で含んでおり、これが化粧品やフレグランスのキャリアオイルとして使用される理由です。ホホバミール(オイル抽出後の残渣)はタンパク質が豊富で、動物飼料としても利用されています。
用途
外用
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治療目的:にきび、乾癬、日焼け、ひび割れた肌の改善。
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美容目的:ヘアケア製品、化粧品、クリーム、ローションなどの成分として。
食品
- 焙煎したホホバ種子は、コーヒー代替品として使用されることがあります。
安全性
おそらく安全
おそらく危険
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経口摂取:ホホバには14%のエルシン酸が含まれ、これが心筋線維症を引き起こす可能性があるため、経口使用は避けてください。
妊娠・授乳中
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おそらく安全:外用での使用。
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おそらく危険:経口摂取。
副作用
一般的な副作用
- 外用では主に接触性皮膚炎が報告されています。
- ホホバミールを大量に摂取した動物では、消化器症状が観察されています。
有効性
信頼できる十分な証拠が不足していますが、有望な分野:
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にきび
- ホホバオイルを含むクレイフェイシャルマスクを週2~3回、6週間使用することで、白ニキビや黒ニキビ、膿疱が減少したとする低品質の研究があります。ただし、対照群がないため結果の信頼性は低いです。
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虫除け
- ホホバオイルを含む虫除け剤が3時間以上蚊に対する完全な保護効果を示したとの研究がありますが、ホホバオイル単体の効果は不明です。
用法および投与
成人
- にきび:ホホバオイルを含むクレイフェイシャルマスクを週2~3回、15分間塗布する方法が使用されています。
薬剤との相互作用
中毒と治療
1974年にホホバミールから「毒性因子」が分離された記録がありますが、後にこの毒性化合物を除去する方法が開発されました。ホホバミールは特定の処理を行うことで動物飼料として安全に使用できる可能性があります。
作用機序
主要成分
- ホホバ種子に含まれる主成分はワックスエステルで、その構成成分にはエイコセン酸やドコセン酸などがあります。
- 種子にはまた、シモンジン(simmondsin)やその誘導体が含まれます。
主な作用
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抗炎症作用
- ラットやヒヨコ胚モデルで、ホホバ液体ワックスが浮腫や炎症性サイトカインを低下させたとする研究があります。
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虫除け効果
- ホホバオイルが昆虫の酸素消費を減少させることから、一般的な殺虫剤としての利用が示唆されています。
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コレステロール低下作用
- 動物モデルでホホバオイルが血中コレステロール値を低下させる可能性があることが示されています。
分類
外用剤、化粧品成分、食用油(日本では食品添加物として利用)。