フェンネル(Fennel)

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学名
Foeniculum vulgare(別名:Anethum piperitum、Foeniculum piperitum)


セリ科(Apiaceae/Umbelliferae)


概要

フェンネルは黄色い花を持つ多年生の芳香性ハーブです。地中海南部を原産としますが、現在ではアジア、北アメリカ、ヨーロッパで野生化しています(92508)。


安全性

通常の食品量での使用

「おそらく安全」:米国ではフェンネルは食品添加物として一般的に安全(GRAS)と認められています(4912)。

適切な短期間の使用での安全性

  • フェンネル精油またはエキス:25滴(約1.25mL)のフェンネル果実エキス(フェンネル精油2%)を1日4回、5日間摂取することは安全とされています(49422)。
  • カプセル:フェンネル30%精油を含むカプセル(71-90mgのアネトール標準化)を1日2回、8週間摂取した研究があります(97498)。
  • パウダーエキス:1日800mgを2週間摂取した事例があります(104199)。

妊娠中

「おそらく安全でない」:観察研究により、妊娠中の定期的なフェンネル使用が妊娠期間の短縮と関連することが示されています(100513)。

授乳中

「おそらく安全でない」:フェンネルを含むハーブティーの摂取が授乳中の乳児の神経毒性と関連付けられたケースがあります。ただし、母乳中のアネトール濃度やハーブティーの汚染物質は調査されていません(16744)。


副作用

一般的な副作用

  • 経口摂取:胃腸不快感、光感受性、アレルギー反応。
  • 重篤な副作用(稀):経口摂取により痙攣が報告されることがあります。

有効性

「おそらく効果がある」

  • 月経困難症(生理痛):フェンネルオイルやエキスは生理痛を軽減する可能性があります。この効果はイブプロフェンやメフェナム酸と同等とされます。

「評価するのに十分な証拠がない」

  • 不安、気管支炎、がん予防、コレラ、便秘、咳、不眠症、糖尿病、過敏性腸症候群(IBS)、更年期症状、吐き気・嘔吐など、多岐にわたる用途について臨床効果は不明です。

服用量と使用方法

成人

  • フェンネルは精油、種エキス、種粉末、お茶などで使用されます。条件によって用量と期間が異なります。

子ども

  • 研究が限られており、標準的な用量情報はありません。

薬物との相互作用

  • 抗凝血剤・抗血小板薬:理論的に、フェンネルは出血リスクを増加させる可能性があります。
  • シプロフロキサシン:フェンネルはその効果を低下させる可能性があります。
  • 避妊薬:フェンネルの大量摂取が避妊薬の効果を減少させる可能性があります。
  • エストロゲン療法:ホルモン療法に干渉する可能性があります。

作用機序

  • 成分:フェンネル種子にはトランス-アネトール、フェンコン、エストラゴールなどの揮発性成分が含まれます。これらがフェンネルのアロマや風味を生み出します。
  • 抗炎症作用:アネトールが炎症性サイトカイン(TNF)応答を抑制する可能性があります。
  • 抗菌作用:フェンネルは広範囲の細菌や真菌に対して抗菌活性を持つとされます。
  • ホルモン作用:アネトールポリマーがエストロゲン活性を持つと考えられています。

分類
抗血小板薬、CYP3A4阻害薬、利尿薬、血管拡張薬

References

See Monograph References


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