グレインズ・オブ・パラダイス(Grains of Paradise)
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概要
- 学名: Aframomum melegueta(別名: Amomum melegueta)
- 科名: ショウガ科(Zingiberaceae)
- 注意: Capsicum(トウガラシ)のリストとは別物です。
グレインズ・オブ・パラダイスは、西アフリカの熱帯地域に自生する植物で、ショウガ科に属します。この植物の種子は香辛料として食品や飲料の風味付けに使用されるほか、伝統的なアフリカ医療でも使用されてきました。
使用目的
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経口:
がん、心血管疾患(CVD)、糖尿病、下痢、消化不良、肥満、胃潰瘍、性機能障害、尿路感染症(UTI)などに使用されます。 -
食品・飲料:
香辛料や風味付け剤として使用されます。
安全性
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可能性のある安全性:
短期間で適切に使用した場合、安全と考えられています。具体的には、グレインズ・オブ・パラダイス種子エキス100 mgを1日1回、最大4週間使用して安全であるとされています。ただし、長期間の使用については十分な情報がありません。 -
妊娠および授乳中:
信頼できる情報が不足しているため、使用を避けるべきです。
副作用
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一般的な副作用:
臨床試験では副作用の報告はありませんが、安全性の十分な評価は行われていません。
効果
- 現在、グレインズ・オブ・パラダイスの効果に関する信頼できる情報は不十分です。
用法および投与量
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成人:
特定の一般的な用量は確立されていません。
標準化および製剤
- ある臨床試験で使用されたグレインズ・オブ・パラダイス種子エキスには以下の成分が含まれていました:
- 6-ジンゲロール(15.2%)
- 6-パラドール(12.5%)
- 6-ジンゲルジオン(4.0%)
- 6-ショウガオール(1.7%)
その他、トリグリセリド、カリオフィレン、α-フムレン、パルミチン酸、オレイン酸、フェノール配糖体が含まれています。
薬物相互作用
- 知られている相互作用はありません。
サプリメントとの相互作用
- 知られている相互作用はありません。
疾患との相互作用
- 知られている相互作用はありません。
検査との相互作用
- 知られている相互作用はありません。
過剰摂取
- ラットを用いた亜慢性毒性試験では、グレインズ・オブ・パラダイス種子エキス450~1500 mg/kgで肝臓の重量増加、アルカリホスファターゼ(ALP)の上昇、血糖値の低下が確認されました。一方、120 mg/kgを投与した場合には毒性は観察されませんでした。
作用機序
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主な成分
- グレインズ・オブ・パラダイス種子には、6-ジンゲロール、6-パラドール、6-ショウガオールといったバニロイド化合物が含まれています。
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抗炎症作用
- 試験管および動物研究では、COX-2活性および炎症遺伝子発現を抑制することで抗炎症作用が示されています。6-ショウガオールの炎症抑制効果はアスピリンと類似しているとされています。
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抗菌作用
- ラボ試験では、グレインズ・オブ・パラダイスのリゾームから分離されたラブダンジテルペンが、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対してゲンタマイシンよりも、リステリア菌に対してアンピシリンよりも、また、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対してバンコマイシンよりも強力な抗菌活性を持つことが示されています。
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肝作用
- 動物研究では、450 mg/kgおよび1500 mg/kgの投与で肝臓の肥大およびALPレベルの上昇が認められています。一方で、4週間30 mg/日の摂取ではヒトの肝臓に悪影響を与えないことが示されています。
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血糖降下作用
- 動物研究では、450 mg/kgおよび1500 mg/kgで血糖値が大幅に低下する一方、120 mg/kgでは効果が確認されませんでした。
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刺激作用
- グレインズ・オブ・パラダイスの種子には刺激作用があると言われています。
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体重減少効果
- 種子エキスは交感神経系や褐色脂肪組織を活性化し、エネルギー消費を増加させることで、体重減少や脂肪組成の改善を促すと考えられています。
臨床研究
- 健康な非肥満女性において、種子エキス10 mgを毎食後4週間摂取しても、体重、BMI、体脂肪率には変化が見られませんでしたが、エネルギー消費の増加や腹部脂肪の減少が示唆されています。
- 健康な非肥満男性では、種子エキス40 mgを単回摂取することで、褐色脂肪活動が高い場合にエネルギー消費が増加することが示されています。
注記: グレインズ・オブ・パラダイスの使用には慎重を期し、信頼できる医療専門家に相談することをお勧めします。
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- Tags: サプリメント