ペラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium sidoides)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Pelargonium sidoides

Geraniaceae(フウロソウ科)


注意事項

ペラルゴニウム・シドイデスは「ゼラニウム」とも呼ばれることがありますが、ローズゼラニウムオイルやスポッティッドゼラニウムとは異なります。


概要

ペラルゴニウム・シドイデスは、南アフリカ原産の多年生の花木で、南アフリカの先住民の間で薬用として利用されています(16641,16642)。


安全性

  • おそらく安全

    • 短期間の経口使用:特定のペラルゴニウム・シドイデス抽出物(EPs 7630, Dr. Willmar Schwabe Pharmaceuticals)は、溶液として4.5〜9mL/日、または錠剤として90mg/日を最長24週間使用しても安全とされています(14258,16641,16647)。
  • 子供

    • おそらく安全:特定の抽出物(EPs 7630)が、6〜10歳の子供において3mL/日で最大7日間使用されても安全とされています(14262,16641)。
  • 妊娠および授乳中:信頼できる情報が不足しているため、使用は避けてください。


副作用

  • 一般的な副作用
    ペラルゴニウム・シドイデスは通常良好に耐容されます。
  • 最も一般的な副作用
    • アレルギー性皮疹
    • 下痢
    • 消化器不調

有効性

  • おそらく有効

    • 急性気管支炎:発症48時間以内に開始された場合、症状の改善が期待されます。
    • 慢性閉塞性肺疾患(COPD):増悪頻度を減らし、症状を改善する可能性がありますが、増悪全体のリスクを減少させる効果はないとされています。
    • 普通感冒(風邪):症状の重症度や期間を短縮し、睡眠の質を改善する可能性があります。
  • 信頼できる十分な証拠が不足している用途

    • 喘息
    • 性器ヘルペス
    • 口唇ヘルペス
    • 鼻副鼻腔炎
    • 扁桃咽頭炎
    • 上気道感染症(URTI)

投与量と使用方法

  • 成人
    特定の抽出物(EPs 7630)として、7〜10日間、1.5〜3mL(30〜60滴)を1日3回使用します。錠剤では10〜40mgを1日3回服用します。

  • 子供
    6歳未満の子供には1回0.5mL(10滴)を1日3回、7歳以上には1回1mL(20滴)を1日3回使用します。シロップ製剤も利用可能です。


標準化と製剤

臨床研究のほとんどで使用されている抽出物(EPs 7630)は、エタノール抽出で1:8-10に標準化されています。


薬物との相互作用

  • 抗凝固薬/抗血小板薬
    • 理論的には、出血リスクが増加する可能性があります。
  • 免疫抑制剤
    • 理論的には、免疫抑制療法の効果を低下させる可能性があります。

作用機序

  • 一般的な内容
    有効部位は根であり、クマリン、加水分解性タンニン(ウムカリン、カテキン、ガロカテキン、没食子酸エラジタンニン)などが含まれます(14259,16645)。

  • 抗菌効果
    ペラルゴニウム・シドイデス抽出物は、Klebsiella pneumoniaeEscherichia coliStaphylococcus aureusなどに対する抗菌活性を示します。

  • 抗ウイルス効果
    単純ヘルペスウイルス(HSV-1, HSV-2)に対する抑制効果が確認されています。

  • 免疫調節効果
    免疫細胞活性の増加、腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキンの放出を刺激することが示されています。

  • 呼吸器効果
    粘液溶解効果があり、呼吸器疾患の症状を改善する可能性があります。


分類:抗凝固剤、免疫調節剤、免疫刺激剤

References

See Monograph References

 


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