ラーチ・アラビノガラクタン(Larch Arabinogalactan)

投稿者 :リンクプロ on

学名
Larix decidua, Larix europaea(別名:Pinus Larix

科名
マツ科(Pinaceae)


注意事項

グリコ栄養素やラーチ・ターペンタインとは異なります。


概要

アラビノガラクタンは、長く密に分岐した高分子多糖類で、多くの植物に含まれています。ラーチ・アラビノガラクタンは、ラーチ(カラマツ)樹皮から得られるアラビノガラクタンであり、商業製品に使用されるものは主に西洋カラマツ(Larix occidentalis)や東洋カラマツ(Larix laricina)から採取されます (15617)。ラーチ・アラビノガラクタンの約98%がアラビノガラクタンです (31781, 93103)。


安全性

おそらく安全(LIKELY SAFE)

  • 食品に含まれる量で経口使用される場合、ラーチ・アラビノガラクタンは一般的に安全と認識されています(GRAS:Generally Recognized as Safe、3529)。

おそらく安全(POSSIBLY SAFE)

  • 医薬品量で短期間使用される場合。1.5~8.4グラム/日を最長6か月まで、また15~30グラム/日を最長6週間まで安全に使用された報告があります (15617, 15618, 17370, 93102, 93104, 104281)。

妊娠・授乳中

  • 信頼できる情報が不十分なため、使用を避けてください。

副作用

一般
ラーチ・アラビノガラクタンは通常、経口使用で良好に耐容されますが、一部の人に膨満感やおならが生じることがあります (3530)。


効果

信頼できる十分な証拠がない(INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

  1. 風邪
    ラーチ・アラビノガラクタン抽出物(ResistAid, Lonza Ltd.)を4.5グラム/日で12週間服用した場合、風邪の発生数、強度、または症状を有意に減少させないとの研究があります。ただし、風邪の発症がなかった患者の割合を増加させる可能性があります (93104)。

  2. 高脂血症
    ラーチ・アラビノガラクタンを8.4グラム/日で6か月、または15~30グラム/日で6週間服用しても、コレステロール、LDL、トリグリセリド、アポリポプロテインB、体重、血圧、または血糖値を有意に低下させないとの研究があります (15617, 15620)。

さらなる研究が必要です。


用法・用量

成人

  • 風邪:特定のラーチ・アラビノガラクタン抽出物(ResistAid, Lonza Ltd.)を4.5グラム/日で12週間使用した例があります (93104)。

標準化および製剤

ラーチ・アラビノガラクタンの標準化に関する信頼できる情報はありません。


薬物との相互作用

  1. 免疫抑制薬
    • 相互作用評価:中程度(Moderate)
    • 理論的には、免疫刺激効果により免疫抑制療法に干渉する可能性があります。

作用機序

  • 消化管効果:水溶性で非粘性の繊維として機能し、腸内で発酵します。ラーチ・アラビノガラクタンを15~30グラム/日で6週間摂取すると、腸内の乳酸菌を増加させ、糞中アンモニアを減少させます。ただし、短鎖脂肪酸の産生や腸の通過時間には影響を与えません (15620)。

  • 免疫効果:インターフェロンγ、TNF-α、IL-1、IL-6の放出を増加させ、食作用やNK細胞活性を刺激する可能性があります (3529, 3530, 15618, 93103)。

  • 肝効果:動物研究では、肝臓の転移を減少させ、生存期間を延長する可能性が示されています (31809, 31811)。


分類

免疫調節剤、免疫刺激剤

References

See Monograph References


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