ラクトバチルス・ヘルベティカス (Lactobacillus helveticus)

投稿者 :リンクプロ on

学名

Lactobacillus helveticus


概要 (Overview)

Lactobacillus helveticus(L. helveticus)は、乳酸を生成するグラム陽性、棒状、嫌気性細菌であり、ヒト体内および一部の発酵食品に自然に存在します。特定の株がプロバイオティクスとして利用され、アレルギーや胃腸の健康維持を目的に使用されています (90605,101513)。


警告 (Warnings)

  • 分類変更
    2020年の再分類後も、L. helveticusはLactobacillus属に分類されています。

  • 壊死性腸炎(NEC)
    低出生体重児での予防効果については信頼できるエビデンスがなく、推奨されていません。特に早産児では感染リスクが懸念されています。


安全性 (Safety)

  • 成人
    経口摂取で14週間までの研究で安全とされています (96891,98438,102506)。

  • 子ども
    生後3か月から4歳の子どもにおいて、3億CFU/日までの摂取が安全とされています (98428,110924)。

  • 妊娠中・授乳中
    妊娠中および授乳中の安全性についてのデータは不足していますが、適切に使用すれば安全と考えられます。


副作用 (Adverse Effects)

  • 一般的には良好に耐容される。
  • まれな重篤な副作用: 感染の可能性が懸念されています。

効果 (Effectiveness)

信頼性が不十分な用途

  • アレルギー性鼻炎: 効果に関するエビデンスは限られています。
  • 抗生物質関連下痢: 他の成分との組み合わせでのみ評価されており、単独効果は不明です。
  • うつ症状: 他の成分との併用で評価されていますが、単独効果は確認されていません。
  • 便秘型IBS: 効果は不明です。
  • 運動誘発性呼吸器感染症: 予防効果に関するデータは限定的です。

用法・用量 (Dosing & Administration)

  • 成人の経口用量:

    • 0.4~20億CFU/日を7日から14週間まで使用。
  • 子ども:

    • 最大3億CFU/日で安全に使用されたデータあり。

作用機序 (Mechanism of Action)

  • 免疫調節効果:
    特定の株(例:Lafti L10)は、運動選手において上気道感染の期間を短縮する可能性があります (98438)。一部の研究では、唾液中の免疫グロブリンA(IgA)濃度を維持する効果が示されています (110927)。

  • アレルギー緩和:
    アレルギー性鼻炎の患者では、鼻および血中好酸球数を減少させる可能性があるものの、IgEレベルには影響を与えないとされています (110926)。


相互作用 (Interactions)

  • 抗生物質:
    抗生物質との併用によりL. helveticusの効果が減少する可能性があります。

まとめ (Summary)

Lactobacillus helveticusは、免疫調節や胃腸の健康における潜在的な効果が期待されています。一部の用途については初期データがありますが、さらなる研究が必要です。適切な使用と医療専門家への相談が推奨されます。

References

See Monograph References


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