IP-6 (イノシトールヘキサリン酸)
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学名
イノシトールヘキサリン酸
注意:
イノシトール、イノシトールニコチネート、ビタミンB3の詳細については、別のリストを参照してください。
概要
IP-6は、多リン酸化された炭水化物で、植物性食品(シリアル、豆類、種子、ナッツ)に多く含まれています。また、人体でも生成されます (97608,97609)。
主なポイント
- 主にさまざまな種類のがんの治療や予防に使用されますが、その有効性を評価するには信頼できる証拠が不足しています。
- 食品に含まれる量で摂取する場合は安全と考えられます。適切な短期間の経口使用もおそらく安全です。
- 重大な相互作用は知られていません。
安全性
安全と考えられる:
- 食品に含まれる量で摂取した場合 (1854)。
おそらく安全:
- 短期間で適切に経口摂取した場合、600 mgを1日2回、最大2週間使用して安全性が確認されています (102320)。
- より高用量または長期間の使用、または局所使用に関する信頼できる情報は不足しています。
妊娠および授乳中:
- 食品に含まれる量で摂取した場合は安全と考えられます (1854)。
- 食品を超える量での使用に関する安全性の情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
一般的な副作用:
食品に含まれる量で摂取した場合、良好に耐えられます (1854)。
医療用量で使用された場合、報告された副作用はありませんが、安全性についての徹底的な評価は行われていません。
有効性
信頼できる評価には不十分な証拠:
- 化学療法誘発性白血球減少症: 小規模な臨床研究では、IP-6およびイノシトールの組み合わせが白血球および赤血球の減少を軽減する可能性が示されています (97608,97609)。
- 痛風: 無症候性高尿酸血症の成人を対象とした予備的研究では、IP-6が空腹時の尿酸値を低下させる可能性があることが示されていますが、症状の改善に繋がるかは不明です (102320)。
さらなる証拠がこれらの用途の評価に必要です。
用量および投与方法
成人
- 化学療法誘発性白血球減少症: IP-6とイノシトールの組み合わせで1日6グラムを2回に分けて6か月間使用されています (97609)。
- 痛風: 無症候性高尿酸血症では600 mgを1日2回、2週間使用されています (102320)。
局所使用
- 化学療法誘発性白血球減少症: 4%のIP-6を含む局所製剤を1日1~2回、6~18か月間使用されています (97608,106680)。
薬物との相互作用
- 抗凝固薬/抗血小板薬: 理論的には、IP-6は血小板凝集を阻害する可能性があり、出血リスクを増加させる可能性があります (1867)。この効果はヒトでは確認されていません。
- カルシウム、鉄、亜鉛: IP-6は腸内で多価金属イオンをキレート化し、不溶性塩を形成してミネラル吸収を減少させる可能性があります (1858)。
薬理学的特性
吸収:
IP-6が腸粘膜で吸収されるかについては議論があります。一部の研究では血漿中でIP-6が検出されないことを示唆しています。
代謝:
IP-6は腸内でイノシトールに代謝されてから吸収される可能性が高いとされています (97610,97611)。
作用機序:
IP-6はイノシトールのヘキサリン酸エステルであり、植物の主要なリン貯蔵化合物です (1855,1858)。細胞内シグナル伝達、細胞増殖、分化に関与しています。また、抗酸化作用、抗腫瘍作用、脂質低下作用、腎結石形成抑制などの効果が示唆されています。
References
See Monograph References
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- Tags: サプリメント