ロータス(蓮)(Lotus)

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学名

Nelumbo nucifera(シノニム: Nelumbium nelumbo, Nelumbium speciosa)

Nelumbonaceae(ハス科)


概要

ロータス(蓮)は水生多年草で、アジア(中国、インド、韓国、日本)や中東(エジプト)などの地域で自生しています(95261,95266)。その花、種、葉、地下茎は食用可能であり、ヒンズー教、仏教、エジプト文化において精神的な象徴とされています(95266)。また、アートや建築文化にも広く取り入れられています。


安全性

  • おそらく安全:食品として通常の量で摂取する場合は安全と考えられています。花、種、葉、地下茎はすべて食用可能です(95261)。
  • 妊娠・授乳中:医薬品としての使用については信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。

副作用

  • 一般的な副作用:医薬品としての量での使用における有害事象は稀とされていますが、安全性に関する十分な評価は行われていません。

効果

  • 信頼できる十分な証拠がない
    • 不安症出血コレラ下痢口臭不眠症ハンセン病(らい病)月経過多吐き気と嘔吐肥満など、ロータスに対する関心はあるものの、これらの状態に対する臨床効果についての信頼できる情報は不足しています。

投与と管理

  • 成人
    • 研究が限られており、典型的な投与量についての情報はありません。

標準化と製剤

標準化に関する十分な情報はありません。


薬物との相互作用

  1. 抗凝固剤/抗血小板薬

    • 相互作用評価: 中程度の注意が必要
    • 影響: 血小板凝集を減少させ、出血のリスクを増加させる可能性があります。
  2. 糖尿病治療薬

    • 相互作用評価: 中程度の注意が必要
    • 影響: 血糖降下作用が増加し、低血糖のリスクを高める可能性があります。
  3. ペントバルビタール

    • 相互作用評価: 高度の注意が必要
    • 影響: 鎮静効果を増強する可能性があります。

機能・作用機序

主要成分

  • 花:フラボノイド(ケルセチン、ルテオリン、ケンフェロール)
  • 葉:フラボノイド、テルペノイド、アルカロイド(ヌシフェリン、ノルコクラウリンなど)
  • 種:ネフェリン、リエンシニン、イソリエンシニン、プロアントシアニジン
  • 地下茎:高い栄養価

作用

  1. 抗がん作用
    種や葉に含まれるアルカロイドががん細胞の増殖を抑制し、アポトーシス(細胞死)を誘導します。

  2. 抗糖尿病作用
    動物研究では、インスリン感受性を向上させ、血糖値を低下させることが示されています。

  3. 抗炎症作用
    抗炎症性サイトカインの抑制により、炎症反応を軽減します。

  4. 抗菌・抗ウイルス作用
    大腸菌黄色ブドウ球菌などの細菌、さらにヘルペスウイルスに対しても効果が認められています。

  5. 抗肥満作用
    体脂肪の分解を促進し、脂肪と炭水化物の消化を抑制します。

  6. 心血管保護作用
    血小板活性の抑制や動脈硬化の進行を抑制します。

  7. 皮膚効果
    抗酸化作用により、肌の弾力性を保ち、シワの発生を抑制します。

  8. 肝保護作用
    脂肪肝や肝毒性から肝臓を保護します。

  9. 神経保護作用
    抗酸化作用と神経伝達物質への影響を通じて、神経疾患を予防する可能性があります。

  10. 睡眠効果
    動物研究では、ノンレム睡眠を延長し、睡眠の質を向上させることが示されています。


分類

  • 血糖降下剤
  • 免疫調節剤

ロータスは伝統的な薬用植物として多くの文化で使用されてきましたが、医薬品としての使用についてはさらなる臨床研究が必要です。


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