マジョラム (Marjoram)

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学名

Origanum majorana (シノニム: Majorana hortensis, Majorana majorana)

科名

シソ科 (Lamiaceae/Labiatae)


概要

マジョラムは地中海沿岸地域原産の多年生ハーブで、高さ60センチメートルまで成長します。その葉や花から蒸留された精油は、薬用や食品、香料として広く利用されています。


用途

経口使用

  • ハーブ: 鼻炎、咳、風邪、ウイルス感染症、胃炎、胃潰瘍、胆道疾患、気分障害、月経困難症、更年期症状、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、頭痛、てんかん、高血圧、糖尿病、不整脈など。
  • 精油: 咳、消化器痙攣、胃腸障害、不安、頭痛、筋肉痛、喘息など。

外用使用

  • 関節痛、筋肉痛、打撲、捻挫、背中の痛みなど。

吸入

  • 不眠症やストレス緩和。

食品

香料として使用。

製造業

石鹸、化粧品、香水の香料成分として使用。


安全性

  • 安全性: 食品に含まれる量での使用は安全と見なされています。
  • 注意点: 花、葉、精油を長期的に使用すると、アルブチン含有量が原因で肝臓や腎臓への影響、さらには発がん性のリスクが懸念されます。

妊娠中・授乳中

  • 妊娠中: 月経を刺激する可能性があるため、食品以上の量の使用は避けてください。
  • 授乳中: 情報不足のため、食品以上の量の使用は避けるべきです。

副作用

  • 経口使用: 適切に使用された場合、通常は良好に耐容されます。ただし、長期的な使用には注意が必要です。
  • 外用使用: まれにアレルギー反応が報告されています。

効果

可能性がある用途

  • 喘息: 精油2滴を3か月間使用すると肺機能が改善する可能性があります。
  • 月経困難症: ラベンダー、クラリセージ、マジョラム精油を含むクリームで腹部をマッサージすると、痛みの程度と期間を減少させる可能性があります。
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS): マジョラムティーがインスリンとDHEA-Sのレベルを低下させる可能性があります。

評価が不十分な用途

  • パーキンソン病: マジョラムティーは非運動症状を軽減する可能性がありますが、運動機能には効果がないとされています。

作用機序

  • 抗炎症作用: 精油中のサビネンやテルピネオールが、炎症性メディエーター(TNF-αやIL-1βなど)を抑制します。
  • 抗酸化作用: ロスマリン酸やカフェ酸などの成分が活性酸素を抑制します。
  • 抗菌作用: メタノール抽出物が大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ・アルビカンスなどの成長を抑制します。
  • 抗血小板作用: アルブチンが血小板凝集を抑制する可能性があります。

推奨用量

  • 喘息: 精油2滴を3か月間使用。
  • PCOS: 乾燥葉1.3~1.5グラムを250 mLの熱湯で抽出したお茶を1日2回、1か月間服用。
  • 月経困難症: 精油を含むクリームで腹部をマッサージ(3%濃度)。

注意事項

  • 抗凝固薬や抗血小板薬との併用で出血リスクが増加する可能性があります。
  • 手術予定がある場合は使用を避けてください。

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