メチルスルフォニルメタン(MSM)(Methylsulfonylmethane)

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Methylsulfonylmethane, Dimethyl sulfone

注意
MSMはその親化合物であるDMSO(ジメチルスルホキシド)と混同しないでください。


概要

MSMは、一部の緑色植物、藻類、果物、野菜、穀物、牛乳、そして人間や動物の尿中に自然に存在する化合物です(8574)。MSMは、DMSOの代謝物であり、酸化によって生成されます(10625, 47901)。体内では、摂取されたDMSOの約15%がMSMに変換され、アミノ酸合成の硫黄源として機能します。商業的には、DMSOと過酸化水素を組み合わせて生産されます(14335)。


安全性

  • おそらく安全:短期間で適切に経口摂取した場合。1.5~6グラム/日または50mg/kg/日が6ヶ月までの研究で安全とされています(8574, 12469, 14335, 17127)。
  • 局所使用:MSMを含むクリームやゲルは、最大20日間の使用で安全とみなされています(19318, 19319)。

妊娠および授乳中
信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。


副作用

  • 一般的な副作用
    • 経口摂取:膨満感、下痢、胃腸の不快感、吐き気。

効果

  • おそらく有効

    • 変形性関節症(Osteoarthritis):MSMは単独または他の成分と組み合わせて使用することで、わずかな効果があるとされています。
  • おそらく効果がない

    • 慢性静脈不全(CVI):局所使用では効果がないとされています。
  • 信頼できる証拠が不足

    • 加齢による皮膚の老化、アレルギー性鼻炎、アルツハイマー病、喘息、糖尿病、運動誘発性筋損傷、肥満、リウマチ、その他多くの症状。

さらなる研究が必要です。


用量と投与法

  • 成人
    • 経口:1~6グラム/日が最大16週間使用されています。
    • 局所:クリームやゲルに配合され、特定の条件に応じて使用されています。

標準化と製剤

以下のようなMSMを含む製品が臨床研究で使用されています:

  • Instaflex Joint Support(Direct Digital)
    MSM 500mgを含む複合製品。
  • Artrosulfur C(Laborest Italia S.p.A.)
    MSM 5グラムを含む製品。

相互作用

薬物およびサプリメントとの相互作用

現在のところ、既知の相互作用はありません。


作用機序

  • 抗関節炎作用:MSMは、動物モデルで関節の変性を抑制し、細胞膜を安定化させる可能性があります(8576)。
  • 抗炎症作用:炎症性サイトカイン(IL-1, IL-6, TNF-alpha)を減少させる可能性が示唆されています(96448)。
  • 抗酸化作用:尿および血液中の脂質過酸化産物(MDA)を減少させ、抗酸化状態を改善する可能性があります(14335)。
  • 筋肉回復効果:運動による筋損傷の回復を促進する可能性がありますが、エビデンスは矛盾しています(96448)。
  • 抗がん作用:動物モデルで結腸がんや乳がんの発症を遅らせる効果が示唆されています(3502, 3503)。
  • 毛髪成長効果:マウスでの研究では、MSMが毛髪成長を促進する可能性があります(111755)。

分類
硫黄供給剤、抗炎症剤、抗酸化剤、関節炎治療剤

 

References

See Monograph References


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