ルースウォート(Lousewort)

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学名

Pedicularis bracteosa, Pedicularis canadensis, Pedicularis centranthera など

Orobanchaceae(ハマウツボ科) / Scrophulariaceae(ゴマノハグサ科)


概要

ルースウォート(Lousewort)は、Pedicularis 属の多年草植物の総称で、北半球の寒冷地や高山地域に自生しています。この植物は部分的な寄生植物であり、他の植物の根から栄養を吸収します。名前の由来は、かつて家畜がルースウォートを食べるとシラミの発生が増えると考えられていたことにあります。また、植物の煎液は、人や動物のシラミの治療に用いられてきました(90824, 90826, 90827)。


使用用途

  • 経口:心不全、消化不良、胃潰瘍、下痢、喉の痛み、扁桃炎、咳、気管支炎、頭痛。
  • 外用:シラミ、疥癬、筋肉痛。

安全性

  • 妊娠・授乳中:信頼できる情報が不足しているため、使用は避けてください。
  • 一般的な副作用:報告されている副作用はありません。ただし、安全性に関する徹底的な評価は行われていません。

効果

信頼できる十分な証拠はありません。


投与と管理

  • 成人:典型的な用量の情報はありません。

標準化と製剤

ルースウォートの標準化に関する十分な情報はありません。


薬物との相互作用

  • 鉄分
    • In vitro 研究によると、ルースウォートに含まれるフェニルプロパノイド配糖体は鉄をキレート化する作用があることが示されています(26939)。理論的には、ルースウォートを鉄分補給剤と一緒に使用すると、鉄分の効果が低下する可能性があります。

副作用との相互作用

  • 鉄欠乏性貧血:鉄キレート作用の可能性があるため、注意が必要です。

過剰摂取

毒性に関する十分な情報はありません。


作用機序

主な成分

  • ルースウォートには以下の化合物が含まれます:
    • Pedicularis属の植物に共通する成分:フェニルプロパノイド配糖体(例:イソバーバスコサイド、バーバスコサイド)、イリドイド配糖体。
    • 種ごとの成分:
      • Pedicularis spicata:ペディクラリオシド A、H、シャンズシシドメチルエステル。
      • Pedicularis striata:ペディクラリオシド A、アクテオサイド、エキナコサイドなど。

主な作用

  1. 抗がん作用

    • In vitro 研究により、イソバーバスコサイドやバーバスコサイドが胃がんや肝細胞がんの細胞増殖を抑制する可能性が示されています(26946, 26947)。
  2. 抗酸化作用

    • 多くのペディクラリス属の植物に含まれるフェニルプロパノイド配糖体は抗酸化活性を持ち、特にフェノール性水酸基が多い化合物で活性が高いとされています(26951, 26952)。
  3. 鉄キレート作用

    • バーバスコサイドおよびイソバーバスコサイドは鉄キレート活性を示します。これにより、鉄の利用が調節される可能性があります(26939)。
  4. 筋肉作用

    • バーバスコサイドおよびマルティノシドは、活性酸素種(ROS)の影響を軽減し、筋肉疲労を防ぐ可能性があります(26954)。

分類

  • 抗酸化剤
  • 鉄キレート剤
  • 抗がん剤(可能性)

ルースウォートは伝統的な薬用植物として使用されてきましたが、医療用途に関してはさらなる研究が必要です。

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