ラクトバチルス・ジョンソニー (Lactobacillus johnsonii)

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概要 (Overview)

Lactobacillus johnsonii(L. johnsonii)は、乳酸を生成するグラム陽性、棒状、嫌気性細菌であり、ヒト体内および発酵食品に自然に存在します。一部の特定株はプロバイオティクスとして使用され、胃腸の健康やアレルギーに対する潜在的な効果が研究されています (90605,101513,110931,110936)。


警告 (Warnings)

  • 分類変更:
    2020年の再分類後もL. johnsoniiはLactobacillus属に属しており、名称変更は行われていません。一部の株(例: L. johnsonii La1)は、以前はL. acidophilus La1として知られていました。

  • 壊死性腸炎(NEC):
    L. johnsoniiの低出生体重児での予防効果について信頼できるエビデンスはなく、感染リスクが懸念されています。


安全性 (Safety)

  • 成人:
    健康な成人における適切な使用では、L. johnsonii La1が最大10億CFU/日で12週間、または4億CFU/日で6か月間、安全に使用された記録があります。

  • 子ども:
    ほとんどの年齢層で適切に使用された場合、安全性が示されています。特に乳児では、4週間にわたり10億CFU/日が安全に使用されました。ただし、低出生体重児では感染リスクがあるため注意が必要です。

  • 妊娠中・授乳中:
    妊娠中および授乳中の安全性についてはデータが不足していますが、適切な使用で安全と考えられます。


副作用 (Adverse Effects)

  • 一般的には良好に耐容される。
  • まれな重篤な副作用:
    感染のリスクが懸念されています。

効果 (Effectiveness)

効果が限定的または疑わしいもの

  • クローン病:
    2つの小規模試験において、L. johnsoniiが再発予防に効果がないことが示されています。

信頼性のあるエビデンスが不足しているもの

  • アレルギー性鼻炎:
    L. johnsoniiがアレルギー性鼻炎の改善に役立つかどうかは不明です。
  • 便秘・下痢:
    下痢予防や便秘改善への効果は十分に研究されていません。
  • ピロリ菌感染:
    子どものピロリ菌感染への影響についてはエビデンスが不足しています。

用法・用量 (Dosing & Administration)

  • 成人:
    最大10億CFU/日が研究で使用されています。
  • 子ども:
    乳児では最大10億CFU/日が4週間使用されています。

作用機序 (Mechanism of Action)

  • ピロリ菌抑制:
    特定株(例: L. johnsonii No. 1088)は、ピロリ菌に対して抗菌作用を持つ可能性があります。動物研究では、胃酸分泌を抑制する効果も示されています (110931)。

  • 抗酸化作用:
    動物研究において、熱処理されたL. johnsoniiが脂質過酸化を抑制することが示されています (110928)。

  • 免疫調節:
    腸管の透過性を変化させることで免疫システムに影響を与える可能性があります。特定株がタイトジャンクションの修復を促進することが示されています (110935)。

  • 皮膚免疫保護:
    紫外線による皮膚損傷を防ぐ可能性があり、炎症細胞や免疫細胞への影響を抑えることが確認されています (110939,110940)。

  • プロバイオティクス効果:
    腸内フローラの改善(乳酸濃度の上昇、病原性クロストリジウムの減少)を通じて腸内環境を整えると考えられます (110933)。


相互作用 (Interactions)

  • 抗生物質:
    抗生物質との併用により、L. johnsoniiの効果が減少する可能性があります。

まとめ (Summary)

Lactobacillus johnsoniiは、腸内環境の改善やピロリ菌抑制、免疫調節の可能性が研究されています。ただし、いくつかの効果についてはさらなるエビデンスが必要です。

References

See Monograph References


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