ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)

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学名

Lactobacillus gasseri


概要 (Overview)

Lactobacillus gasseri(L. gasseri)は乳酸を生成するグラム陽性、棒状、嫌気性細菌で、ヒト体内に自然に存在します。プロバイオティクスとして特定の株がサプリメントや機能性食品に含まれており、アレルギーや胃腸の健康を含むさまざまな目的で利用されています (90605,101513)。


警告 (Warnings)

  • 分類変更
    2020年の再分類後もL. gasseriはLactobacillus属に留まっています。

  • 壊死性腸炎(NEC)
    L. gasseriに関する信頼できるエビデンスはなく、NEC予防のための推奨はありません。特に低出生体重児では感染リスクが懸念されています。


安全性 (Safety)

  • 成人
    経口または膣内使用で12週間までの研究で安全とされています (90244,95592,98433)。
    熱処理されたL. gasseriは6か月まで安全とされています。

  • 子ども
    6~12歳の小児で安全に使用された例がありますが、その他の年齢層に関するデータは不十分です。

  • 妊娠中・授乳中
    妊娠中および授乳中の安全性についての信頼できる情報は不足していますが、適切に使用すれば安全と考えられます。


副作用 (Adverse Effects)

  • 一般的には経口摂取で良好に耐容されます。
  • まれな重篤な副作用: 感染の可能性が懸念されています。

効果 (Effectiveness)

信頼性が不十分な用途

  • 肥満: 多くの研究でL. gasseriが体脂肪を減らす可能性が示唆されていますが、臨床的に有意な効果かどうかは不明です。
  • 過敏性腸症候群(IBS): 効果に関するデータが不足しています。
  • バクテリア性膣炎: 単独での効果は不明ですが、他のプロバイオティクスとの併用で改善が見られる可能性があります。
  • 体重減少: 臓器周辺脂肪の減少が一部の研究で確認されていますが、全体的な減量効果は一貫していません。

用法・用量 (Dosing & Administration)

  • 成人の経口用量:
    • 生菌:1~2億CFU/日を最大12週間まで使用。
    • 熱処理菌:10億細胞/日を最大24週間まで使用。
  • 膣内使用: カプセルやサプリメントが使用されていますが、具体的なデータは限定的です。

作用機序 (Mechanism of Action)

  • 胃腸の健康:
    L. gasseriは腸内環境を改善し、腸管炎症を抑制する可能性があります。これにより、代謝症候群や糖尿病などの症状の緩和が期待されています。

  • 免疫調節効果:
    免疫細胞(リンパ球やマクロファージ)の活性を調整し、炎症性サイトカインのレベルを低下させる可能性があります。また、特定の化学誘引物質(CCL17やCCL27)を減少させることで、アトピー性皮膚炎などに寄与する可能性があります。

  • 膣の健康:
    膣内のpHを低下させ、病原菌(例:Gardnerella vaginalis)の増殖を防ぐと考えられています。菌株によってはバイオフィルムの形成を抑制することも確認されています。

  • 体重減少:
    脂肪酸酸化に関連する遺伝子の発現を変化させる可能性があります。また、脂肪組織やインスリン感受性の改善が報告されています。


相互作用 (Interactions)

薬物との相互作用

  • 抗生物質: 抗生物質との併用により、L. gasseriの効果が減少する可能性があります。

まとめ (Summary)

Lactobacillus gasseriは、体重管理、胃腸の健康、および免疫調節における潜在的な効果が注目されています。特定の病態での使用に関するデータは限られているため、使用前に医療専門家に相談することが推奨されます。

References

See Monograph References


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