ケール (Kale)

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学名: Brassica oleracea, Brassica oleracea var. viridis(別名: Brassica oleracea var. acephala
: アブラナ科/アブラナ属 (Brassicaceae/Cruciferae)


概要

ケールは濃い緑色または紫色の葉を持つ野菜で、ブロッコリーやカリフラワー、コラードなどのアブラナ科野菜と似ています。東地中海を原産地とし、紀元前2000年頃から栽培されてきたとされています。抗酸化作用や健康改善効果が期待される食品です。


安全性

  • 安全性が高い: 食品に含まれる程度の量で摂取する場合。
  • 不明: 薬用量として経口摂取した場合の安全性については信頼できる情報が不足しています。
  • 妊娠および授乳中: 食品に含まれる程度の量であれば安全とされていますが、薬用量としての使用は避けるべきです。

副作用

  • 一般的な副作用: 食品としての摂取では一般的に良好に耐容されます。薬用使用による副作用は報告されていませんが、安全性の徹底的な評価は行われていません。

効果の証拠

  • 膀胱がんおよび乳がん: ケール摂取がこれらのがんリスクを減少させるかどうかは不明です。
    その他の用途に関しても、効果を評価するための信頼できる証拠は不足しています。

投与と使用方法

  • 成人: 研究が限られており、標準的な投与量は不明です。

主な作用機序

  • 有効部分: 地上部。
  • 栄養成分: ケールには以下が含まれます:
    • カロテノイド(ルテイン、β-カロテン)
    • ビタミンK、C、A、葉酸
    • 鉄、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム
    • グルコシノレート(アスコルビゲン、テルペノイド、インドール誘導体)
    • フラボノイドグリコシド(ケルセチン、カンペフェロール、イソラムネチン)

抗がん作用

  • ケールなどのアブラナ科野菜は一部のがんに対する保護効果があると考えられています。
  • グルコシノレートとマイロシナーゼの相互作用: ケールを切ったり噛むことで細胞が損傷すると、グルコシノレートが分解され、インドールやイソチオシアネート(ITC)といった化学物質が生成されます。これらは以下の効果を持つとされています:
    • 第I相および第II相酵素の活性化: 発がん性物質の解毒と排出を促進。
    • 腫瘍細胞の増殖抑制: 細胞死(アポトーシス)の誘導を含む。

インドール-3-カルビノール(I3C)や3,3'-ジインドリルメタン(DIM)は特に乳がんや子宮がんなどのホルモン依存性がんに対する保護作用があると考えられています。


代謝への影響

  • 高脂肪食を与えられた動物では、ケールを9%加えた食事を12週間摂取することで以下の効果が報告されています:
    • 血清トリグリセリドおよびLDLコレステロールの低下。
    • 腸内炎症や内毒素血症の抑制。
    • 肝機能改善および脂肪滴沈着の防止。

ケールは栄養価が高く、健康維持に役立つとされていますが、薬用量での使用についての信頼できる情報は不足しています。食品としての摂取が推奨されます。


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