カオリン (Kaolin)

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学名: 水和アルミニウムケイ酸塩 (Hydrated aluminum silicate)
: 該当なし


概要

カオリンは粘土の一種で、主成分はアルミニウムケイ酸塩です。歴史的には、ペクチンと組み合わせて(Kaopectate)下痢治療に使用されていましたが、米国ではカオリンを含まない製品に改良されています。アフリカの一部地域では、妊婦が吐き気、腹痛、下痢、多唾液症の治療や、美白を目的として摂取することがあります。


利用方法

  • 経口: 下痢、コレラ、腸感染症、潰瘍性大腸炎の治療に使用されます。
  • 外用: 出血の抑制、口腔粘膜炎の治療に使用されます。
  • 胸膜腔内注入: 気胸の治療に使用されます。
  • 診断用途: 血液凝固時間(ACT)の自動試験や結核診断(カオリン凝集試験)に使用されます。
  • 製造用途: 錠剤の賦形剤や濾過・脱色剤、歯磨き粉などの化粧品に使用されます。
  • 食品添加物: 食品にも添加されます。

安全性

  • 安全: 食品量として経口摂取、または特定のFDA承認の創傷ドレッシング(例: QuikClot, Z-Medica)に含まれる場合。
  • おそらく安全: カオリン-ペクチンを含む医薬品量の経口摂取や、適切な量のうがい薬として使用する場合。
  • おそらく危険: 大量経口摂取では腸閉塞や鉄欠乏性貧血が報告されています。
  • 妊娠および授乳中: 食品量であれば安全とされていますが、医薬品量の使用は避けるべきです。

副作用

  • 経口: 便秘を引き起こす可能性があり、特に子供や高齢者で発生しやすい。腸閉塞のリスクもあります。
  • 吸入: 職業性カオリノーシス(肺疾患)を引き起こす場合があります。

効果の証拠

  • おそらく効果的:
    • 口腔粘膜炎: カオリン-ペクチンを含むうがい薬が、放射線治療や化学療法による粘膜炎の痛みを軽減することが示されています。
    • 出血: カオリンを含むガーゼ(QuikClotなど)は、外科手術後や外傷後の出血を速やかに止める効果があるとされています。

その他の用途に関しては、信頼できる証拠が不足しています。


投与量と使用方法

  • 経口:
    • 口腔粘膜炎には、カオリン-ペクチンとうがい薬を1:1で混合し、15 mLを3分間口に含んで使用。
  • 外用:
    • 出血には、カオリン含有ガーゼ(例: QuikClot)を患部に圧迫して使用。

相互作用

  1. クリンダマイシン: 吸収速度を遅らせる可能性があります。
  2. ジゴキシン: 衝突する証拠がありますが、潜在的な相互作用を避けるために3時間の間隔を空けることを推奨。
  3. キニジン: 吸収を減少させる可能性があるため、3時間の間隔を推奨。
  4. トリメトプリム: 吸収を減少させる可能性があるため、3時間の間隔を推奨。

作用機序

  • 乾燥効果: 外用時に乾燥剤として作用し、多様な物質を吸着します。
  • 粘膜保護: カオリン-ペクチンが保護膜を形成し、痛みを軽減します。
  • 止血効果: カオリンは凝固促進剤として働き、血液凝固を誘導します。第XII因子や血小板を活性化し、凝固カスケードを開始します。

カオリンは多用途で使用される素材ですが、大量摂取や長期間使用には注意が必要です。特定の健康問題がある場合は、専門家の指導を受けることが推奨されます。


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