カバ (Kava)

Posted by リンクプロ on

学名: Piper methysticum
: コショウ科 (Piperaceae)


概要

カバは、南太平洋の島々に自生する植物 Piper methysticum から作られる飲料または抽出物です。ポリネシア語で「苦い」を意味する「awa」に由来します。南太平洋では社会的な飲み物として広く親しまれ、儀式や薬用目的でも数千年にわたり使用されてきました。


注意事項

  • 肝毒性: カバは肝毒性や肝不全の報告が多く、2002年に欧州やカナダで市場から排除されました。一部の国ではその後規制が緩和されていますが、米国食品医薬品局(FDA)は2002年にカバの副作用に関する警告を発表しました。

安全性

  • おそらく安全: 短期間、医療監督下で使用された場合。臨床試験では最大6か月間の使用で安全とされています。
  • おそらく危険: 肝毒性や肝不全のリスクが報告されています。一部のケースでは1〜3か月の使用で肝移植や死亡が必要となった事例があります。
  • 妊娠および授乳中: カバの成分が子宮の収縮を引き起こしたり、母乳に移行する可能性があるため、使用を避けるべきです。

副作用

  • 一般的な副作用: 眠気、口渇、めまい、胃腸の不調、頭痛、記憶力低下、震えなど。
  • 重篤な副作用(まれ): 肝毒性、横紋筋融解症(非常にまれ)。

効果の証拠

  • おそらく効果的:
    • 不安: 少なくとも5週間の服用で不安が改善される可能性があります。
  • おそらく効果がない:
    • 全般性不安障害(GAD): 治療効果は確認されていません。
  • 効果不明:
    • 睡眠障害、更年期症状、筋痛、月経前症候群(PMS)、ストレス、ベンゾジアゼピン離脱などの効果については信頼できる情報が不足しています。

投与量と使用方法

  • 成人:
    • カバ抽出物は、通常150〜400 mg/日、最大2年間使用されています。抽出物は一般的に70%のカバラクトン含有量に標準化されています。

薬物との相互作用

  1. アルコール: 鎮静作用と肝毒性のリスクが増加する可能性があります。
  2. 中枢神経抑制薬: 鎮静作用が加わり危険性が高まるため、併用は避けるべきです。
  3. CYP酵素基質: カバはCYP1A2、CYP2C19、CYP2C9、CYP2D6、CYP3A4などの酵素を阻害する可能性があります。
  4. 肝毒性のある薬物: 肝毒性リスクが増加する可能性があります。

作用機序

  • 主要成分:
    • カバの薬理作用の多くは、カバラクトンと呼ばれる成分に起因します。この成分は不安軽減、鎮静、抗炎症作用などを持つと考えられています。
  • 抗不安作用: カバはGABA受容体を増強する可能性があり、不安やストレスを軽減します。
  • 肝毒性: グルタチオン枯渇やキノン形成が肝毒性の原因であると考えられています。

カバは伝統的な薬用用途が豊富で、不安改善などで効果がある可能性がありますが、肝毒性のリスクがあるため使用には慎重さが求められます。特に既存の肝疾患や併用薬がある場合は、医師と相談することが推奨されます。


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