ホーリーバジル- トゥルシー(Holy Basil )

投稿者 :リンクプロ on

学名
Ocimum tenuiflorum (シノニム: Ocimum sanctum)

科名
シソ科 (Lamiaceae/Labiatae)


概要

ホーリーバジルは、インド原産の芳香性多年草で、オーストラリア、西アフリカ、中東の一部でも見られます。アーユルヴェーダ医学で使用され、ヒンドゥー教では神聖な植物とされています。インド名「トゥルシー (Tulsi)」は「比類なきもの」を意味します。

料理では、特に東南アジア料理において、独特のピリッとした風味を加えるために使用されます。


利用用途

  • 経口で:

    • 老化、喘息、糖尿病、不安障害、頭痛、肝炎、高コレステロール、高血圧、ストレスなどの改善に使用される。
    • 一部の研究で糖尿病やストレスの軽減に効果が示唆されていますが、さらなる研究が必要です。
  • 外用で:

    • 口腔内のプラークや歯肉炎を軽減するためのマウスウォッシュ、ペースト、ジェルとして使用される。

安全性

  • 経口での短期使用:
    • 500 mg/日で60~90日間の摂取が安全とされています。
  • 妊娠中および授乳中:
    • 妊娠中は高用量で使用する場合不適切とされます。動物研究では、高用量が着床率や妊娠率の低下に関連すると示されています。

副作用

  • 一般的な副作用:
    • 経口摂取でゆるい便や吐き気が報告されています。
    • 口腔内使用では苦い味を感じることがあります。

効果

有効性に関する信頼できるエビデンスが不足しているもの:

  • 老化防止、喘息、消化不良、頭痛、肝炎、高血圧、肥満、感染症(呼吸器感染症など)など。

初期段階のエビデンスがあるもの:

  1. 糖尿病: 小規模な研究で、血糖値のコントロールをわずかに改善する可能性が示唆されています。
  2. 歯肉炎・プラーク: マウスウォッシュや歯磨きペーストとして使用することで、プラークや歯肉炎を軽減する効果がある可能性。

投与量

  • 大人:
    • 500 mg/日(分割投与)を1.5~3か月使用。
    • 口腔用4%エキスをマウスウォッシュとして10 mLを1日2回、最大30日間使用。

薬物相互作用

  1. 抗凝固剤/抗血小板薬:
    • ホーリーバジルの種子油が抗血小板効果を持つ可能性があるため、出血リスクを増加させる可能性があります。
  2. 糖尿病治療薬:
    • 血糖値を下げる効果があるため、低血糖リスクが増加する可能性があります。
  3. ペントバルビタール (鎮静薬):
    • 鎮静効果が増強される可能性があるため注意が必要。

作用機序

  • 抗酸化作用:
    • エウゲノール、ロスマリン酸などが抗酸化活性を示します。脂質過酸化を抑制し、心臓や脳の保護作用があると考えられています。
  • 抗炎症作用:
    • 炎症性サイトカインを抑制し、アラキドン酸代謝経路(COX-2など)を阻害。
  • 血糖値低下:
    • インスリン分泌を改善し、β細胞の機能を高める可能性が示唆されています。
  • 抗菌作用:
    • 細菌や真菌(カンジダ・アルビカンスなど)に対する抑制効果が試験管研究で確認されています。
  • 抗ストレス作用:
    • 動物モデルや臨床試験でストレス関連ホルモンの減少が観察されており、アダプトゲン(ストレス軽減)効果が示唆されています。

注意事項

  • 妊娠中の高用量使用、糖尿病薬との併用、抗凝固薬使用者には注意が必要です。
  • 信頼性の高いデータが不足しているため、長期使用や過剰摂取は避けてください。

References

See Monograph References


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