学名
科名
サラセニア科(Sarraceniaceae)
概要
ピッチャープラントは北米の湿地に生息する植物で、特徴的なカップ状の葉が昆虫を引き寄せ、捕獲、消化する機能を持っています。
ピッチャープラントエキス(商品名: Sarapin)は、1906年の「純正食品医薬品法」に基づき市場に出たFDA承認済みの製品です。
使用目的
経口使用
- 消化器疾患(特に便秘)
- 尿路疾患
- 利尿剤
- 天然痘治療
- 糖尿病
- 瘢痕形成の予防
注射使用
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ピッチャープラントエキス(Sarapin)
- 痛み治療(坐骨神経痛、肋間神経痛、後頭神経炎など)
- 筋筋膜痛症候群、偏頭痛、梨状筋症候群、顎関節障害様症状(アーネスト症候群)の治療
- プロロセラピー(靭帯や腱の付着部位で炎症を引き起こし、組織再生を刺激する治療法)
安全性
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おそらく安全(LIKELY SAFE)
ピッチャープラントエキス(Sarapin)は、資格を持つ医療専門家が適切に注射した場合、安全とされています。
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おそらく危険(POSSIBLY UNSAFE)
炎症部位への注射では危険性がある可能性があります。
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経口使用
安全性や有効性に関する信頼できる情報が不足しています。
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妊娠および授乳中の使用
十分な情報がないため、使用は避けるべきです。
副作用
効果
現在、ピッチャープラントの効果に関する信頼できる十分な情報はありません。
投与および使用法
注射(処方製品Sarapin)
- 用量例:
- 頸部:2-3 mL
- 胸部:5-10 mL
- 腰部:5-10 mL
- 仙骨部:3-5 mL
- 尾骨管:10 mL
- 坐骨神経:10 mL
- 局所浸潤:5-10 mL
- 注射後、患者は15分間仰臥位で安静にする必要があります。
標準化と製剤化
ピッチャープラントの標準化に関する十分な情報はありません。
相互作用
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薬物、サプリメント、疾患、検査との相互作用
現在、知られている相互作用はありません。
薬理作用
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使用部分
葉と根
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主要成分
- サラセニア酸
- タンニン
- 樹脂
- アルカロイド(サラセニン)
- フェノール性グリコシド、フラボノイドグリコシド、イリドイド
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抗糖尿病作用
葉の抽出物が筋肉細胞でのグルコース取り込みを刺激し、肝細胞でのグルコース産生を減少させる可能性が示唆されています。
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抗ウイルス作用
ピッチャープラントはポックスウイルスの複製を阻害し、オルトポックスウイルス感染に対して保護作用を持つ可能性があります。
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神経作用
Sarapinエキスは感覚神経に作用し、運動神経には影響を与えません。一部の研究では、特定のC神経線維に選択的に作用するとされています。
まとめ
ピッチャープラントエキス(Sarapin)は主に注射治療で使用され、一部の痛み治療で効果が期待されていますが、経口使用に関する安全性や有効性の証拠は不足しています。医師や資格を持つ専門家による監督の下で使用されるべきです。また、妊娠中や授乳中の使用は避けるべきです。