ルピン (Lupin)

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学名

  • Lupinus albus
  • Lupinus angustifolius
  • Lupinus luteus

科名

マメ科 (Fabaceae/Leguminosae)


概要

ルピンは多年草で、高さは0.3~1.5メートルまで成長します。ルピンの種子(穀粒)はデンプンが少なく、タンパク質、必須アミノ酸、食物繊維が豊富です。その栄養価の高さから、ルピン粉はパン、パスタ、グルテンフリー食品、動物性タンパク質の代替品として利用が増えています。食品作物として栽培される種には、L. angustifolius, L. luteus, L. albus, L. mutabilis が含まれます。世界のルピン生産の大部分はオーストラリアが占めています。


利用法

経口使用

糖尿病、耐糖能障害(前糖尿病)、高コレステロール血症、高血圧、筋肉崩壊、肥満、大腸がん、腸内寄生虫感染症、尿路感染症(UTI)などに使用されます。

外用使用

褥瘡の治療に使用されます。


安全性

  • おそらく安全: 処理済み(脱苦味処理された)ルピン製品が食品量で使用される場合。市販のルピン製品(パン、パスタ、朝食シリアルなど)で、キノリジジンアルカロイド含有量が0.02%未満の場合、毒性は報告されていません。
  • おそらく安全: 医薬品として適切に使用され、キノリジジンアルカロイドが0.02%未満の場合。
  • おそらく危険: 苦味のあるルピン製品(キノリジジンアルカロイド含有量が高いもの)を摂取した場合、抗コリン作用により呼吸不全や死亡のリスクがあります。

妊娠・授乳期

  • おそらく安全: 処理済みルピン製品が食品量で使用される場合。
  • おそらく危険: 苦味のあるルピン製品は、子宮平滑筋の収縮を引き起こす可能性があります。

小児

  • おそらく安全: 処理済みルピン製品が食品量で使用される場合。
  • おそらく危険: 苦味のあるルピン製品では、毒性のリスクがあります。

副作用

  • 一般的な副作用: 脱苦味処理されたルピン製品は通常よく耐容されますが、膨満感、鼓腸、腹痛が報告されています。
  • アレルギー反応: 短時間での呼吸困難、発疹、アナフィラキシーなどが感作された人で報告されています。

有効性

糖尿病

ルピンが食後血糖値を下げ、血糖管理を改善するかどうかについては矛盾する証拠があります。一部の研究では改善が見られるものの、他の研究では有意な効果が確認されていません。

高コレステロール血症

初期研究では、ルピンタンパク質や繊維がLDLコレステロールやトリグリセリドを低下させる可能性が示されていますが、臨床的に有意な効果かどうかは不明です。

筋肉崩壊

ルピンを含む粉末の摂取が筋肉萎縮を軽減する可能性があるとする予備的な研究結果があります。

肥満

いくつかの初期研究では、ルピンを豊富に含む食品を摂取しても体重減少を維持する効果は確認されていません。


用量と投与

  • 糖尿病: ルピン10グラムを1日2回、14週間使用。
  • 高コレステロール血症: ルピンタンパク質25 mgまたはルピン繊維25グラムを4週間使用。

作用機序

  • 一般: ルピンの種子は食物繊維、タンパク質、非デンプン多糖類が豊富です。
  • 抗コリン作用: ルピンに含まれるキノリジジンアルカロイドは抗コリン作用を持ち、毒性の原因となる場合があります。
  • 抗酸化作用: ルピン抽出物には抗酸化作用があることが報告されています。

注意事項

  • キノリジジンアルカロイド含有量: 苦味のあるルピン製品は十分な脱苦味処理が必要です。
  • 交差アレルギー: 大豆やピーナッツなど、他のマメ科植物との交差アレルギーの可能性があります。

ルピンは栄養価が高く、多くの健康効果が期待されますが、製品の安全性と適切な処理が重要です。苦味のあるルピン製品の摂取には十分な注意が必要です。


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