ノニ (Noni)

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概要

ノニは、太平洋諸島、東南アジア、オーストラリア、インドに自生する常緑樹です。大きな葉と黄色い卵形の果実を持ち、成熟した果実は独特の強い臭いと味が特徴です。根、茎、樹皮、葉、花、果実など、植物の多くの部分が薬用として使用されています。伝統的に、解熱剤や消化器疾患の治療に用いられてきました。


安全性

  • 経口使用:
    • ノニジュースは、1日200 mLの摂取で3か月間使用しても安全であるとする小規模な臨床試験があります。
    • 肝毒性: 一部のケースで、ノニ製品の摂取後に肝機能障害や肝不全が報告されています。一部は特定のブランド(Tahitian Noni Juice)に関連付けられていますが、原因は不明です。
  • 妊娠・授乳中: 動物実験では催奇形性の可能性が示唆される結果もありますが、人間に関する信頼できる情報は不足しているため使用を避けるべきです。

副作用

  • 一般的な副作用: 腹部不快感、吐き気。
  • 稀な重大な副作用: 肝毒性(肝不全を含む)。

有効性

現時点で、以下の症状や疾患に対するノニの効果に関する信頼できる情報は不足しています。

  • 老化、喘息、動脈硬化、運動能力向上、がん、心血管疾患(CVD)、糖尿病、片頭痛、関節炎、感染症、肝疾患など。

一部の研究で抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用が示唆されていますが、さらなる研究が必要です。


用法・用量

  • 成人:
    • ノニジュースは、1回3~4オンス(約90~120 mL)を1日1~2回、1~3か月間使用することが一般的です。
    • 局所使用: 研究が限られており、標準的な用量情報はありません。

成分と作用機序

  • 主要成分:
    • カリウム、ビタミンC、アントラキノン、ルチン、フラボノール配糖体(ルチン、ケルセチンなど)、スコポレチン、イリドイドなど。
    • スコポレチン: 抗炎症作用や血圧低下作用を持つ可能性が示唆されています。

作用:

  • 抗炎症作用: COX-2酵素の抑制や炎症性メディエーターの生成抑制に関与するとされています。
  • 抗酸化作用: フリーラジカル除去作用が示されています。
  • 抗菌作用: 一部の試験管内研究で抗菌作用が確認されています。
  • 抗腫瘍作用: 初期研究では、がん細胞の増殖抑制や細胞死誘導が示唆されています。

相互作用

薬物との相互作用

  • 降圧薬: 低血圧リスクを高める可能性あり。
  • カリウム保持性利尿薬、ACE阻害薬、ARB: 高カリウム血症のリスクを増加させる可能性あり。
  • 肝毒性薬: 肝臓へのリスクを増加させる可能性あり。

サプリメントとの相互作用

  • カリウムを含むサプリメントとの併用に注意が必要です。

注意事項

ノニは一部の健康効果が期待されていますが、信頼できる科学的エビデンスが不足しています。また、肝毒性や薬物相互作用のリスクがあるため、医療専門家と相談のうえ使用することをお勧めします。


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